RECORD

Eno.105 《5i.残酷》の記録

おとぎばなし さん

女の子は死んでしまいました。
女の子は知る由もなかったのですが、女の子のお父さん…領主様が亡くなってから、女の子の周りは大変だったのです。
領主様が亡くなったことで、遺産の相続、土地の権利、民への信用、不作…
全部女の子は何にも知らなかったけど、女の子の周りにあったので。

女の子は何も知らずに、悪い人に攫われて、そして、色々なものを奪われて。
お母さんが何度もお願いしたけれど、結局、女の子は悪い人の気を晴らすために、沢山いじめられて、殺されてしまったのです。






死んでしまった女の子をお母さんのところまで取り戻してくれたのは、大人の人でした。
悲しむお母さんに、大人の人はこう、提案しました。

『とても残念な出来事でした。
 でも、お嬢さんを助ける方法が、もうないわけではありません。
 奪われた権利も、私が回収します。

 だから、どうか顔をあげてください』



大人の人は、一つの種を取り出しました。

『この種を植えれば、××××の傷を種から出た芽が癒してくれます。
 死んでしまった体に、また息吹を与えてくれます。
 前と同じ通りの、可愛らしい××××と再会できます。


 だけど、この種を植えただけでは、種は芽を出しません。
 大事な栄養を、与えてあげてください』



そんな不思議なものが、と、お母さんは思いましたが。
女の子が戻ってくるならと。信用してる大人の人の言葉ならと。

続きを聞きました。


「毎日、一雫種に血を与えてください。
 それが、種の栄養になります。
 芽が出た後も、血を与えてください。
 その血を糧に、芽は××××の体に根を貼ってくれます。

 芽が弱ってると思ったら、少しずつ量を増やして。
 量を調節してください。

 何日も、絶やさず。
 貴方の血を与えてください。


 一月もすれば、目を覚ますはずです」



大人の人は優しく、手を差し伸べました。