RECORD

Eno.38 エヴラール・ラギエの記録

File_03 ロングソード

「長い剣……というと様々なものがありますが、これはおそらくバスタードソードとも呼ばれるものでしょう。
 長さは物によってまちまちですが、ここでは両手で扱うことを前提とした長さと重さを持っているようです」

「体格によっては片手剣として扱うこともできるかもしれませんが……
 空いた手にさらに盾を持つとなると、機動性は著しく落ちそうですね」

「重さもさることながら、ロングソードやグラディウス等と比較すると重心がずれて感じられるため、
 咄嗟に刃筋を変えたりするのは非常に難しいです。
 闘技場で許可されている技の面々もそういった認識から来るものなのでしょうね」

「膂力があればもう少し器用な扱い方もできるのかもしれませんが、私程度の体つきですと少々厳しいですね。
 ……得意な獲物が短剣であるという理由もありますが」


「技の仔細につきましては、各型1種、1回ずつの使用数と非常にシンプルです。
 いずれも大振りになるため、そう何度も扱うのは興行の場には向かないという事情もあるのかもしれません。
 ……同じことの繰り返しというのは、一般に退屈であるとされていますからね」

「重さ、そして長さを最大限に生かした扱い方は
 非常に攻撃力が高い一方で的確に隙を突かれると弱い傾向にあります。
 振りかぶれば脇が空き、すくい上げれば頭上が空く……これも当然と言えるでしょう」

「当然ながら、破壊力のほどについては一目瞭然といいますか、十分に保証されています。
 そのため、扱うための力、そして相手の技を読み切る勘。両方が揃えば相当な強さを発揮するでしょう」


「何か特筆すべき点があるとすれば──無形の『モルトシュトラーク』でしょうか。
 通常の運用と異なり、刃を掴んで柄を当てる技です。
 この性質上、ミトンもしくはガントレットを着用した状態が好ましいと考えられますが……
 治癒術もありますから、痛みに耐えられるのであれば素手でも問題ないのかもしれません」

「私にはグローブがありますので難なく行えますが、これを外してというのは……
 やりたくありません。態々痛みを甘受できるほどの感性は持ち合わせておりませんので」