RECORD

Eno.576 ELMERの記録

滅びかけている世界の話

人間達が、世紀の大発見をした。
を見つけたのだ。
全長は分からず、頭部のほんの一部だけを掘り当てた。地中の奥の、奥に。

暫くして、人間達の間で病が流行りだした。
最初は驚異もなかったそれが、ワクチンを覚え、進化し、致死クラスのウイルスへと姿を変えた。人間たちは、それを呪いと名付け、世界共通の敵とした。

少し後、ウイルスにかからないもの達を発見した。それは人間では無く、動物たち。兎、牛、蛇、鳥、狼……人間以外の生き物は全て、そのウイルスにかからない。
人間たちは恐怖した。人間だけを殺すウイルス、それを生み出したのはなんなのか。世界の間で疑心暗鬼が募りだす。

やがて、それは戦争になった。
研究の末、あるもの達が造られた。
の顔と体毛を持ち、人の骨格で、獣並の膂力を持ち、ヒトと同じ言語を話す者。獣人という、新たな人類の誕生。ヒトでありながら獣である彼らは、ウイルスの影響を受けない新人類となった。

…だが、戦争は終わらない。獣人達も、自分達が新たな人類として戦争に加わる始末。そして人間達は、新たな兵器を作った。

狼の獣人でありながら、ヒトの手先。獣人を騙し殺すための計画。
名を、不死獣プラン
UNDEAD BEAST PROGRAMとして、その獣は獣人と戦うこととなる筈だった。

「…そうはならなかった。呪いの影響を受けるヒトの方が、滅ぶのはずっと早いから。」



やがてヒトは死滅する。世界には獣人と、掘り起こされたが、残る事になる。