RECORD

Eno.285 ウィンター・ザ・リグレットエッジの記録

『ウィンター“ザ・リグレットエッジ“の話』

……今でも思い返す度に、反吐が出る。
わたしは、愛していたあの子達への贖罪よりも、
救世の誇大妄想メガロマニアに熱を上げていた、クズだ。

こうやって出る自嘲の言葉もまた、自身を守る為の言葉に過ぎない。
他人にこれらを明確に話さないのが何よりの証拠だろう。
自罰的になることで、他人からの罰を受けないようにしている小狡いクズ。

わたしは、ウィンター。あの子達の事を覚えている、ただ一人の元人類。
わたしは、リグレット。あの子達に死をもたらして、なにひとつ救えなかったただ一人の役立たず。

改造されたわたしは、ヒトでなしで、けれど機械でもなく、リアル・フォーミングでもない。
壊れた世界に残され、春に辿り着けなかった、終わらない冬。
単なる記録媒体として生かされ、後悔ばかりを抱えて過ごす、いのちに似た、なにか。

それがわたし、『ウィンター"ザ・リグレットエッジ"』。

わたしは決して忘れない。熱に浮かされ、絵に描いた未来ばかりを追っていたクズのわたしを。
この異名後悔は、この呼び名リグレットは、決して……離さない。
いつか、電子精霊を見つけ出し、殺し尽くしたとしても。いつか、わたしが壊れる死ぬとしても。

わたしは、忘れない。


――それでも、