RECORD

Eno.289 空木 颯斗の記録

思考《■》





嬉しい。


嬉しい、嬉しい、嬉しい。

綺麗な喜びではない事を知ってる。
どろりとして重たい幸福感は、
きっと僕の中身・・の本能由来のものだ。 

産めよ、増やせよ、地に満ちよ。
我らが座すは天のみならず。

祈りも願いも食い物にして、
浅ましさも愚かさも糧にしよう。


その考えをすんなり受け入れる自分が居る。
何の違和感も無く。



何故なんだろう。
僕はどちらなのだろうか。



鏡を見る。



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「………………」




「どっちだっていいんじゃないですか?」
「僕は僕なんでしょう」








「…………コイツ」
「本当に扱いやすくていいなァ」





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鏡の中の自分は笑っている。

楽しそうなら、それでいいか。