RECORD

Eno.599 亜久津 魔沙兎の記録

改造人間乱造世界の記録6




※人造実験等の非人道的行為の描写があります。
 苦手な人は閲覧を避けてください。


























事の発端は、とある小さな村を攻めた時の事。
量産型改造人間の数と殿を務める電脳人間の合わせ技で勝利を掴み取るいつもと違い、
今回は少数精鋭、電脳人間が先導し量産型改造人間に任せる形で攻め込みました。

先導をしたのは第9席『隠者』の「パセリック」と第16席『塔』の「ソルジ」。
次々と使えるものは捕虜とし捕獲、使えないものは処分する量産型改造人間。
普段後方から魔法攻撃で支援するパセリックが初めての前線の最中で目にしたのは
まだ幼い子供を抱えて泣きながら「許して」「助けて」と命乞いをする女。
彼が戸惑っている間にソルジが「両名使用不能と判断」と二名を処分。

「ここにはもう人材がいない」「パセリック、次の場所へ」

次の瞬間、ソルジの頭部はパセリックの魔法によってなき者となりました。
電脳人間はない心臓部分を貫かれても、足がもげても再生ができます。
しかし特殊技術によって電子を纏い保存された『脳』だけは替えが効かない部分。
さしもの電脳人間も脳を壊されたらもうただのガラクタです(勿論厳重に防護してますが)。
今この瞬間、ソルジは最初に破壊された電脳人間としてこの世を再度去りました。

パセリックの魔力は脳にも残留していたのか、洗脳の効きが弱かったようで。
自分がかつて異国の人間で、妻と幼い子供を残して攫われ、今ここに居る事を思い出し。
連れていた量産型改造人間を己の魔力で洗脳し、実質単身で国に反旗を翻しました。

勿論国がそんなことを許すはずもなく、連れていた改造人間の数も乏しく。
下剋上するどころか、見せしめとしてパセリックは生きたまま苦しみ公開処分されました。
博士こと第21席『世界』はこう語ります。

「もしわれわれに反旗を翻したのならば、こうなることを覚えておきたまえ」

ーしかしこの行為が、かえってお国に忠実だった電脳人間たちの脳に
ひとさじの疑問を打ち付ける事になったのです。