RECORD

Eno.237 キャス・パリューグの記録

 
「あなたにはね、とある王族の血が流れてるのよ」

「へぇ、すごい」

「パパとはお城の舞踏会で出会ってね」

「よく行けたね」

「親切なお婆さんから招待状とドレスを譲って頂いたの」
「ただの村娘だった私が、よ。奇跡みたいでしょう?」

「そうだね、それで?」

「あの人との出会いも奇跡みたいな出来事でね」
「踊り相手を探すあの人と偶然目が合って……一目ぼれだったわ」
「きっと、あの人もそう。私達は、運命的な出会いをしたの」

「ちゃんと踊れた?」

「ええ、あの人が上手にリードしてくれて……」
「周りの目が少し痛かったけれど」
「それ以上に、あの人の情熱的な瞳が忘れられないわ」

「そっか」

「今は一緒にいられないけれど」
「落ち着いたら、迎えに来てくれるそうよ」
「そうしたらお城暮らしね、お掃除が大変だわ」

「そうだね」