RECORD

Eno.751 クラウスの記録

ある夜のテラスにて

 
 
それは、いつものテラスで、不意に始まった話題。


ここで出会った者達に
出来れば、心穏やかに健やかに生きていてほしい

――言って気付く。
己自身は、そんなもの、もう求める欲すらも無いことに。


苦しんだりせずに、一生を謳歌してくれれば

――これも、そうだ。


自ら苦難しかない道に突撃していくような、
無駄に命を削る様な事が、なければ

――自分で言いながら笑いそうになる。
まさに苦難しかない、無駄に命を削る様な道を歩もうとしているくせに、と。


それぞれが悔いのない生を送れれば

――これが、今のところ一番無難か。
そう長くはない時間で済ませるつもりでは、あるが。




もう、生きる欲もない。
そんな、夢もない。
希望すら、目覚めた時・・・・・には、かえった時・・・・・には、既に失われていた。

あとやりたいことは。
俺が、やるべきことを、なすことだけ。
そういう、"契約"なのだから

その為に、あゆんでいるのだから
その為だけに、あゆんでいるのだから



――……それだけが、今のあゆむ理由なのだから……