RECORD

Eno.8 スフェーンの記録

Floktale:大災害3

──そして静かになった。


星は案外に星を壊していかなかったらしい。
いや、壊してはいるんだけど。
だってかつての居住区は壊滅的。
かつての首都は滅びを迎え、その年の象徴はパッキリ折れてしまっている。
地面は抉られ、巨大なクレーターがいくつも作られている。
星が過ぎらず、なんの被害もなく、そこだけ綺麗に切り取られたような土地もあったらしいが。

音が鳴り止み、星が遠のいたのを察知した人々は外へと這い出る。
ノアの方舟の船着場。

あんまりにも眩しい太陽の光と、だのにひどくくすんだ空気。雲間から光が差し込む、光の筋がずっと強く続いていた。
外に出て人は歩けど、しばらくは活動できるが、長らくは活動できない。
くすんだ空気の原因。大気に含まれたゴミか、有毒なものが体の中に入り込めば、お陀仏であることがわかるまで、そう長くはなかった。

そんな環境に成り果てていた。

星は星の大地に触れている。
その形を変えるように抉っていった。
到達点は環境の破壊。
海だけは綺麗な青のままだったらしいが、霞んでよく見えない。
骸は沈んでいるかもな。

人の終わり。

シェルターの中は絶望に包まれたか。
幸い、シェルターには半永久的に人が生活できる設備は整っていた。
水もある。食べ物もある。薬もある分はある。
そしてこの中には、それらで賄えるぐらいの人数しかいない。

ただ、青空も星空も遠くなった事実と、人が自由に住まうことができないことと、今までの歴史が滅ぼされたことにひどく、絶望をした。
途方に暮れている。

が、しかし。
それぞれのシェルターからシェルターへ、交信を行い続けた。
ハイテクとは程遠い、アナログな手段を用いながらも、奇跡的に全てのシェルターで通信は繋がったらしい。
繋がった都市通しでネットワークを構築している。
網目模様は頑固なものとする。

遠距離間連合国家として、点は一つずつ結ばれた。
復興し、人が明日を見るための国家。

ただし、もちろん主導役が必要だった。


でも人はもうそういうのをやるくらいの気力を失っていた。
そう言った国家をやる気になったのも、各シェルターに運び込まれた5柱が存在したからだった。
人は人の営みのやる気を失い、惰性に生きることを望んでいた。
文明の倒壊にうちしがれている。
日光を浴びれない彼らは死んでしまった。
先述した通りに、人にピリオドは撃たれてしまったのだ。

種族としての下落。

能無しの伽藍。

日常生活が絶望の縁に投げ込まれた。

ただ、うるさく心臓を鳴らし、排泄物を垂れ流し、無駄に資源を使うだけの。





──主導役が必要だった。


『それがいまだに動き続ける我らの神である』



「我らが5柱」



「中央都市においては『Belka/Strelka』」



「それらは、あっという間に人を立て直したという」



汚染された外をうまく順番に効率的に使い。

シェルター内を拡張し。

彼等機械は中央に据えられ。



──長い時を必要としたが、それらは都市として確立された。
その星の全ては5柱の元。
それらが作ったルールのもとで運営される。



「それらはマザーコンピュータ」



「本来は使われることなく、放置されていたもの」




「それが日の目を見たという話だった」





「災害の話は終わり」




──都市が確立されて数年。

異常な人間が生まれた。