RECORD

Eno.237 キャス・パリューグの記録

――

 
「聞いたら驚いてしまうかもしれないけど」
「貴方のパパはね、吸血鬼なの」

「へぇ、そうなんだ」

「でも、あなたはきっとパパの血が薄いのね」
「血を欲しがらないし、日の光を浴びて生きていけるもの」

「どうやって知り合ったの?」

「偶然、あの人が共同墓地の前に倒れているところを見つけたのよ」
「酷い怪我を負っていて、今にも死んでしまいそうだったわ」

「それで」

「そんな姿を見て、私はつい助けてしまったの」
「当時の私は田舎の教会にシスターとして務めてたのだけど」
「苦しむ人を見捨てては置けなかったから」

「シスターなんてやってたんだ。それで?」

「あの人が動けるようになるまで、周りに隠しながら看病したわ」
「そうしたらいつの間にか、私達は互いに惹かれ合うようになっていたの」

「よくやるなあ」

「けれど、動けるようになったあの人は去る事を選択をした」
「いずれ迎えに来るって約束とあなたを残してね」
「シスターだった私の事を考えてくれたんでしょう」

「ふぅん」

「だから私、あの人の為にシスターを辞めて待つことにしたの」
「迎えに来やすいよう、人目の少ない場所ここでね」

「そうだったんだね」