RECORD
世界を繋げて

「もう全然まともに接してくれる奴は居なくなってた。
言っても無駄って、ほっとかれるようになった」

「すがりつくだけ無駄で……
謝っても何に謝ってるかわかんないままじゃだめだった」

「自己対話、を繰り返して心を守ろうとしてたかな。
酷い傷負ってもほっとけば治るって解ったから誰も寄り付かない」

「俺だって別に、構ってほしいってそうやってたわけじゃないけど……
そう思われて、罵倒されるのはあったな」

「置いていかれたくない、一人になりたくない、
ぐちゃぐちゃん中で偶然届いた神託だけが救いだった」

「虹でっか みたいなのだけ届いてさ。
見上げたらほんとにでっけえのかかってんの」

「その年の神託このしょうもない一言だけ?とかより……
それだけのことがどうしようもなくうれしかったな」

「完全に厄介者んなっちゃってさ。
俺を引き取る先ももう無くて。ゴミ抱えてるみたいな扱い」

「けど、渋々……って感じで名乗りあげたとこがあって」

「評判あんまよくないとこだったらしいけど、
さっさと手放したかったんだろうし何にも聞かされずにそこに運ばれた」

「殆ど諦めてたんだけど、いざそこに丸投げされて……
元居たとこの奴が帰って見えなくなった後に言われた言葉で救われたと思う」

「よく頑張ったな、って。
…………巣穴だったってわけだ。俺ん家とは別の」

「渋々だったのは怪しまれねぇためだな。
髪に気味の悪い輝きがあるってんでピンときたんだとさ」

「異端は排除される、出る杭は打たれる、
獣は危険と狩られるばかり……
故に我々火の徒は地下へと追いやられた」

「普通……はあんま学べなかったけど、最低限押えとけってとこは固められたし
痛みが欲しいのも護身の訓練で沢山満たされてたよ」

「ふんわりとしか覚えてなかった教義とかもな!
肉と赤い果実と魔法がダメなのは徹底されてたから知ってたけど!」

「あと俺の度が過ぎた苦痛への欲求、信徒目線でもヤバくてさ。
……それだけは皆言うから、やっぱりもう知られたくないなって思ったな。
心配も……かけたくないし」

「ま、これで漸く俺の地獄は終わり。
後は上手く隠れ住みながら暮らしていくだけだった」

「そうじゃなくなったのは、」

「一年前、あの島に流れ着いてからだ」