RECORD

Eno.599 亜久津 魔沙兎の記録

改造人間乱造世界の記録8

※人造実験等の非人道的行為の描写があります。
 苦手な人は閲覧を避けてください。







































燃え盛る研究所、街は大混乱。
中心にいるのは電脳人間、研究所を荒らすは量産型改造人間。
国の1/3を占めるスラム街の貧民…将来の量産型改造人間候補たちも抗い、
時に「娘を返せ」「おとうさんを殺した蛮族め!」
そんな言葉が聞こえてくるでしょうか。



機械の力ももちろん素晴らしいが、人の「心」は無限の可能性を秘めている。
そう改めて悟った電脳人間たちはスラムに時折出入りして
じっくりと、しっかりと根回しと協力のお願いを行いました。
改造人間とあって最初は住民たちも反発が激しく聞き耳をもってくれませんでしたが、
何度も話を重ねてやがて、お互いが被害者であるということを理解し
最終的に手を取り合い、ディアバイトと闘う覚悟を決めたのです。

ディアバイト国はあえて富豪・平民と貧民を区別を強調していました。
国を広げるために戦をしていたはずが、その戦を楽しむ研究所により、
量産型改造人間は未だ一定のペースで生産されていきます。
量産型改造人間は優秀な駒ですが、量産型なだけあってすぐ壊れてしまいます。
なので常に補充と称した貧民のリソースが必要でした。
生きるために争い、抗う精神に自然と育っていくのも国としては好都合。
大きくなったディアバイト・ラボが実質権威を握っているこの国は、
未来科学に囲まれた満足した暮らしをする富豪と平民。
そして毎日最低限の飲食の供給とろくな住まいがない貧民で出来ています。
脳が必要なので体がいくら衰えようと気にしない、
やがて量産型改造人間になるのだから個など気にしない。
貧民はリソースであり材料であったので、暮らしが良くなるわけがなかったのです。

電脳人間達は暮らしこそ平民のそれで出歩くことも許されるようになりましたが、
自分達がこの世界の人間ではない事、量産型のアップデートでしかない事、
この国を出たところで安心した暮らしが保証されているわけではないけれど、
それでも戦を繰り返し虐殺、量産型のための誘拐はもううんざりだということを訴え、
話を進め、貧民と電脳人間で手を組み、操れる一部の量産型を利用し
この国への謀反を計画していきました。

そして決行の日が訪れたのです。