RECORD

Eno.272 『残響』の記録

白い封筒


部屋に届いた贈り物、届け主を見れば少し目を見開いて、令嬢は中身を確認した。
揃えた指先で口元に触れ、若干考えること数分。
――祖父からの教育からそれを贈る意味合いが過ったが、だが、
送り主が分かっているが故、そうして先日のやりとりを思うが故、代わりにだろうかと結論付けて。

白い簡素な封筒の中、便箋が一枚。
裏には細く流れるような字で、カナリア・クリフォード・ディアの名前が綴られる。



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レウム様

突然のお手紙、失礼致します。
態々ハンカチを贈ってくださり、ありがとうございました。

比較的新しいもので、しっかりと綺麗にしていたハンカチとはいえ、
態々新品を頂いてしまい少々申し訳なくも思うのですが……。
ここで再び見合うものをと何かを贈ってしまうのも気を遣わせてしまうかもしれませんので、
こうしてお手紙を綴らせて頂きました。

わたくしが好んで使うまるで海のような色合いで、とても嬉しいです。
これは此処でも、勿論元の世界に帰ってからも大切に使わせて頂きます。

この度は素敵な贈り物をありがとうございました。

カナリア・クリフォード・ディア


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