RECORD

Eno.8 スフェーンの記録

EP:22.5

なんか知らないが毎日添い寝する流れになっている。
なんでえ?

それはそれとして。
かわいいなあ、とみたいな気持ちがふつふつ沸いていてよろしくない。
自分でいいらしい。


閑話休題。

「…………」



一蓮托生は絶対いやだ〜……



昨日のこと、思ったこと。
自分がいなくなったあとに、自分に続く人が、こんなに世界は素晴らしいと笑っていてらしくて走っていた身分だ。
だから世界を変えたかった。
自分たちがフィクションとして消費されてしまう世界を。
架空の人。
画面の向こう側。
いない人。


君にもおんなじことを思ってる。
君はフィクションじゃないけれど、どうあったって自分より長生きの君だ。
いやもうすでに長生きしているんだろうけど。
………
なんで自分なんだァ………???



とかくね。
長く生きてもあと80年もないくらいかな。
命を投げ捨てようとしてた人間としては、それから、長く生きても25には強制的に終わらせられるシステムの中にいた人間としては。
それでもほんとに長い。ほんとにね。
急に漠然と広がった未来は長くて、長くて。
はるか先まであるように感じられた。

それでさらに1000年となれば途方もない。
多分、途中で気がおかしくなる。情けないことだけど。
途方もないってそういうこと。


ほんと情けないんだけど……」



自分でも思う。あのさあ。
長生きの子と一緒にいるって決めたんなら、そこで覚悟とか見せるべきなんじゃないのか??
しばらくいじいじ……としてから。


「………だから」



だから前を向いて、手を繋いで歩いて行かないとな。
凛と胸を張って、君の顔を眺めている。
宝石の輝きは永遠とは行かないが、ただその眩しさはきっと焼きつくものであって欲しい。
あって欲しいは願い事。
焼きつく者でありたい。

永く生きるきみに、少しでも残しものをしてあげられますように。
永く生きる君の人生を変えてしまったんだから、最期まで責任を取りたいのだ。
情けない姿ばっかり晒すかもしれないけどさ。
自分を思い返した時、良いことばかりが浮かびますように。



「………」

「まあ、その前に、目」

頑張ってもらわねえとな、と眼帯の方を叩いた。
自分がいなくなった後も、君が人と楽しく交われるようなプレゼントを。
味覚。
食べて話して、それができるように。
寂しくないようにの、これは祈りごとだった。


眼帯の隙間から、虹の輝きが漏れている。








「…………」




綺麗だなあ………



惚れてるんだ。