RECORD

Eno.118 ルミア・ジーラの記録

昔の話(3)

孤児院での暮らしは楽しかったけれど、楽しいことにはいつか終わりが訪れる。

身寄りのない子供といえど、孤児院にずっといることはできない。
いられるのは子供である間だけ、大人になったら自立のために院を出なければならない。
それが決まりだった。

孤児院で過ごすようになってから年月がたち、
私が"お兄ちゃん"と呼んで慕っている人もついに施設から出ていく日を迎えた。
みんなお兄ちゃんとお別れするのが寂しくて、私もいっぱい、いっぱい泣いた。

『大丈夫、仕事も住むところも先生たちにちゃんと紹介してもらったから。
みんな、元気でな』

「お兄ちゃん!!……お兄ちゃんも元気でねっ!
私、手紙書く!お兄ちゃんにたくさん手紙書くから!」

『………ああ、ありがとう。ルミア。』

「それでね、私……大人になったらダンサーになるの!
舞台に立って、お兄ちゃんにも素敵な踊りを見せてあげるっ!!」

『………ああ、ルミアはダンスが得意だったね。
ルミアならきっとなれるさ、楽しみにしてる』


私は、最後には笑顔でお兄ちゃんを送り出した。
少し寒くなった、冬の日のことだった。