RECORD

Eno.8 スフェーンの記録

EP23





「インカローズ」



「ルチル」



「レピドライト」



「…アメジスト」




「…」




なんでこうもまあ、宝石に縁があるんだか、とは思うところだったかもしれない。
部屋で一人ぼうっとしている。
備え付けの椅子にでも座って、窓を開けてゆるい夏の夜風を浴びながら、踊る星の空を見ていたのだろう。
今日もご機嫌でやかましい星々の声を聞きながら、それを解している。
星の話し声なんて意味のない羅列でしかないが。
話す声を人の言葉に翻訳すれば、なんとなく目に熱が巡るのだった。
力が溜まるとは、多分このことなのだろう。
それは置いといて。


「…」



「ツノ、何したんだか」



ネガティブな方面ではなさげ。多分だけれど、そうではないのは伺えた。
どこかにぶつけたから欠けた、ならそれくらい言いそうなものだけど。
疑問はスルーされている。
ネガティブ方面でないのなら。全て聞ければいいというものではないから、スルーは構わないのだけど。
硬度がとても高い宝石なわけでもないし。

「……」
気にはなるな………



思いつつ。ノックの音を待つか。