RECORD

Eno.397 エルクトイ=アンブラウグティウスの記録

溢れた星

結局、何一つ覆す事は叶わず。
爛れた雲は掛かったままであり。
長い夜に打ち勝つことはなかった。

「エルおにいちゃん、まって」


「かえってきなさい、エルクトイ」


「きちんとおはなししましょう?」



酷く痛み続ける体を引きずって逃げ込んだ先。
脳のうちを這いずるような聞き慣れたはずのいくつもの声が、やけに近く感じた。

(ああ。終わるのか、俺は)

仕舞い込んだロザリオを布の上から握りしめる。
独りで立ち続けなければいけなかった事を恨んだ。
同時に。ここにあいつが居なくて良かった、なんて。