RECORD
Eno.294 男子高校生らしいなにかの記録
“種”
世界の種、というものなのだそうだ、オレの妹は。
それがなんなのかはオレにはよくわからん。
よくわからんのだけれども、
いろんな『たのしい』を集めて、その受け皿になりたいらしい。
あいつらしい、文字通り器のでかい話だ。
ただ、世界になったときにどうなるかはあいつ自身もわからんらしくて。
それはまあ、不安になったりこわかったりする方が自然だと思う。
ここんところなにやら様子がおかしかったのはそういうことだったらしい。
『アルファスリー』になるために戻ったルファさんといい、
妹のために人生を使い切った“オレ”といい、
なんとも似たもの家族であることだなあ。
ただまあ。
オレはもう、『役割』に準ずることをよしとしない。
前の場所でのオレなら、ここに来たばかりのオレならきっと違うことを言っただろう。
でも、いまのオレは、そんなのはイヤだと声を上げられるようになった。
こわいと泣く妹を抱きしめてやれるようになった。
それは、大切なひとの手を放してしまった後悔があるからだ。
大丈夫、とあいつには言ったけど、根拠なんてない。
あいつはオレのことをなんでもできると思ってくれてるけど、
オレは失敗してばかり、取りこぼしてばかりだ。
泣きたいことなんて、やりなおしたいことなんていくらでもある。
それでも、あいつの前ならオレは意地をはって、背すじを伸ばしていられる。
愛する妹のためなら、カッコいい兄貴でいたいと思える。
考えてみれば不思議なもんだ。
オレとあいつはべつに血縁でもなんでもない。
ただすこしの時間、同じ場所にいて、同じことをたのしいと思って。
家族になろうというのも、ほんのなりゆきで。
それがいまではごく自然に、大切な存在だ。
そうなってくれたおまえに、そうさせてくれたルファさんに。
オレはどんだけ感謝してるだろう。
だれかの人生の蛇足のおまけだった“オレ”が、
いまのオレになることができたのは、きみたちのおかげだ。
ありがとう。
テルルの言う世界の種、っていうものがなんなのかわからないけれど。
でも、もうおまえは立派に種をまいてくれた。
それはおまえがそういう存在だったからじゃなくて、
テルルがテルルとして、オレを愛してくれたからだ。
おまえがまいてくれた種を、オレはこれからも大切に育てていこうと思う。
さしあたっては家だなあ。
とりあえず土地を広めに買って、最初の家はちょっと小ぢんまりになりそうです。
文句言われそうな気もしますが、まあ増築の楽しみがあると思ってください。
ファリーやルファさんの意向も盛り込みたいですし。
そういう風にしとけばちょくちょく帰ってきてくれるかもだし?
ともあれ、なんにせよ。
もうじきまた旅立ちのときだ。
行き先がいっしょになるか別れるかはわからないけど、うん。
いつでもいっしょだぜ、テル・メル。
さいこうにかわいくてかっこいい、
ちょっとさびしんぼであまえんぼな、
オレの自慢の妹!
兄貴はいつでも、お前を愛してるぜ!
それがなんなのかはオレにはよくわからん。
よくわからんのだけれども、
いろんな『たのしい』を集めて、その受け皿になりたいらしい。
あいつらしい、文字通り器のでかい話だ。
ただ、世界になったときにどうなるかはあいつ自身もわからんらしくて。
それはまあ、不安になったりこわかったりする方が自然だと思う。
ここんところなにやら様子がおかしかったのはそういうことだったらしい。
『アルファスリー』になるために戻ったルファさんといい、
妹のために人生を使い切った“オレ”といい、
なんとも似たもの家族であることだなあ。
ただまあ。
オレはもう、『役割』に準ずることをよしとしない。
前の場所でのオレなら、ここに来たばかりのオレならきっと違うことを言っただろう。
でも、いまのオレは、そんなのはイヤだと声を上げられるようになった。
こわいと泣く妹を抱きしめてやれるようになった。
それは、大切なひとの手を放してしまった後悔があるからだ。
大丈夫、とあいつには言ったけど、根拠なんてない。
あいつはオレのことをなんでもできると思ってくれてるけど、
オレは失敗してばかり、取りこぼしてばかりだ。
泣きたいことなんて、やりなおしたいことなんていくらでもある。
それでも、あいつの前ならオレは意地をはって、背すじを伸ばしていられる。
愛する妹のためなら、カッコいい兄貴でいたいと思える。
考えてみれば不思議なもんだ。
オレとあいつはべつに血縁でもなんでもない。
ただすこしの時間、同じ場所にいて、同じことをたのしいと思って。
家族になろうというのも、ほんのなりゆきで。
それがいまではごく自然に、大切な存在だ。
そうなってくれたおまえに、そうさせてくれたルファさんに。
オレはどんだけ感謝してるだろう。
だれかの人生の蛇足のおまけだった“オレ”が、
いまのオレになることができたのは、きみたちのおかげだ。
ありがとう。
テルルの言う世界の種、っていうものがなんなのかわからないけれど。
でも、もうおまえは立派に種をまいてくれた。
それはおまえがそういう存在だったからじゃなくて、
テルルがテルルとして、オレを愛してくれたからだ。
おまえがまいてくれた種を、オレはこれからも大切に育てていこうと思う。
さしあたっては家だなあ。
とりあえず土地を広めに買って、最初の家はちょっと小ぢんまりになりそうです。
文句言われそうな気もしますが、まあ増築の楽しみがあると思ってください。
ファリーやルファさんの意向も盛り込みたいですし。
そういう風にしとけばちょくちょく帰ってきてくれるかもだし?
ともあれ、なんにせよ。
もうじきまた旅立ちのときだ。
行き先がいっしょになるか別れるかはわからないけど、うん。
いつでもいっしょだぜ、テル・メル。
さいこうにかわいくてかっこいい、
ちょっとさびしんぼであまえんぼな、
オレの自慢の妹!
兄貴はいつでも、お前を愛してるぜ!