RECORD

Eno.267 鳴瀬 明輝の記録

 の独り言5

『昔の感覚頑張って取り戻そうとしてるんだよ〜?』

それを聞いた時の返しの声は震えていなかっただろうか。

「また、一緒に背中を合わせて戦えるかもしれない」
嬉しさのあまり落とした書類をそのままに、廊下を駆け出す。

「ただ、ただ気力なく生きている貴方が見たくなかった。昔みたいに目を見て色々話してくれる貴方が見たかった」
前よりかはマシになっているが、それでも時折力なく笑っている気がしていたのを気にしていた。
あの日以来、避けられているような、避けているような、そんな気がして。



「昔みたいに……」
足が止まる。

踊り場の鏡の自分は昔と違い─────……。

ふと今までの自分の態度を思い出す。



「鳴瀬さんを……避けていたのは、私の方……」