RECORD

Eno.253 クァリの記録

手配書


 アル██ト・██ルベック

 重█な倫理違█
 逃走援█ 
 殺人█疑█

 妻█████と共に逃███ 




――以降は焼け焦げていて読めない。










「――はっはっは。あいつも偉くなったものだな。知り合いかって?私の教え子だとも」

「教え子といえば、耳長が教えを請いに来た事もあったね」

「本当さ。……まあ確かに、肌も髪も灰色の、やたら人懐っこい妙な奴だったがね」

「うむ。基礎はちゃあんと知っていたし、術師会の中堅に並ぶ程度の知識はあったんじゃなかろうか?その上で私の話も聞きたいってね」

「それがだ。高慢ちきな耳長どもと違って、えらく素直に話を聞いてくれるものだから」

「……まさにそうなんだよ。あの姿勢、他の生徒にも見習ってほしかったものだ」

「そういえば、やたら古典期の学説に執着していたな……何の説だったか」

「ああ、思い出した。燃素説だ」

「……そう、まさしくそれだ。未だ科学と神秘が混在していた時代の。研究史について触れたときに、えらく食いついていたな」

「いや、そこまでは知らんな。あの耳長の……哲学、あるいは人生観か?その類と重ね合わせているように見えたが」

「はっはっは。解るわけがなかろう。私の専門は錬金術だというのに」

「まあでも、こうして時間を潰すには丁度いい与太話だったろう?」

「――さて。愛しい妻と娘には、いつになったら会えるのかね」