RECORD
Eno.310 佐藤 陽介の記録
研究員の音声ガイドの下、魔法少女は杖を地面に突き立てる。
先端の装飾部分が強い光を放ち、周囲の空気を吸い込んだかと思うと
瞬く間にその姿は元の世界へと転移された。
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辺りを見渡すと、そこは身の丈程ある多くの設備が稼働している研究所の一室であった。
労いの言葉を掛ける研究員は何度か通信を行った相手であると声から判断できた。

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彼は一際大きな装置の前でバインダーを片手に頭をかく、若い男性に声を掛けた。
その男性は終始淡々とした様子を見せながら魔法少女の前に立つ。
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変わり者だらけの研究所の中でも全く見劣りしない協力者。
後日、彼とは報告を兼ねた食事会を開くという事で話を付けた。
どうやら別所にいる彼がこの研究所に訪れる機会はそう多くないらしく、
このタイミングで挨拶をして貰いたかったというのがここの研究員の話で分かった。
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同意が得られると研究員は魔法の杖に別の装置を取り付け始める。
いくつかの手順があるようで、手持ち無沙汰となった魔法少女は口を開いた。

依頼主が逆転するような提案に研究員はきょとんとした表情を見せる。
一瞬手を止めてしまった作業を再開しながら研究員はそれに返答した。
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魔法少女が、いや、彼が望むのはマジカルな道具ではない。
タネも仕掛けも存在して、技術によってそれをショーへと変える物。

それは、何者でも無かった一人のファンが多くのファンを得るきっかけとなった物語。
――希代のマジシャンの胸元にはトレードマークである『銀製の兎』が輝きを放っていた。
マジカルとロジカルとそれから……
研究員の音声ガイドの下、魔法少女は杖を地面に突き立てる。
先端の装飾部分が強い光を放ち、周囲の空気を吸い込んだかと思うと
瞬く間にその姿は元の世界へと転移された。
依頼達成お疲れ様。報酬は既に送付させて貰っているよ
辺りを見渡すと、そこは身の丈程ある多くの設備が稼働している研究所の一室であった。
労いの言葉を掛ける研究員は何度か通信を行った相手であると声から判断できた。
思っていたよりむこうでは馴染む事が出来たよ
出来過ぎなほどにね……そうだ。今回の一件で紹介が遅れてしまった人物が居てね。彼にもあちらであった出来事などを話して欲しいんだ
彼は一際大きな装置の前でバインダーを片手に頭をかく、若い男性に声を掛けた。
その男性は終始淡々とした様子を見せながら魔法少女の前に立つ。
異世界への転移を担当して貰った神崎君だ。彼の協力無くして我々の目的は達成出来なかった
移動担当と魔法少女担当がいたって感じなのかな。どうも
……彼の持つデバイスから情報はこちらに転送されていた。俺から彼に聞く事は特に無いように思えるが
いや、いやいやいや。実際に現地へ行った人の感想は貴重だろう?
なるほど。道理だな。では、佐藤君。現地での所感についてだがレポートにまとめてくれるか? 後で目を通す
へ、変な人だ……普通に食事でも交えながら世間話みたいにしちゃ駄目かな? 上手く文字に書き起こせる自信がない
効率的な提案だ。食事を交えながらという所が実に良い。その案に賛成しよう
変わり者だらけの研究所の中でも全く見劣りしない協力者。
後日、彼とは報告を兼ねた食事会を開くという事で話を付けた。
どうやら別所にいる彼がこの研究所に訪れる機会はそう多くないらしく、
このタイミングで挨拶をして貰いたかったというのがここの研究員の話で分かった。
さて、戻ってきて疲れているところ悪いが、今からでも問題無いなら元の体へと戻そう
全然今からでいいよ。むしろ帰還が決まった日から完全にオフの日を過ごしてたし
同意が得られると研究員は魔法の杖に別の装置を取り付け始める。
いくつかの手順があるようで、手持ち無沙汰となった魔法少女は口を開いた。
あ、そうだ。ここって凄い技術力がある事は分かったけど、俺が欲しいモノとかも作れたりする?
依頼主が逆転するような提案に研究員はきょとんとした表情を見せる。
一瞬手を止めてしまった作業を再開しながら研究員はそれに返答した。
異世界に転移したり、魔法少女になったりする程度のモノなら作れるよ
そこまでせんでいい……
魔法少女が、いや、彼が望むのはマジカルな道具ではない。
タネも仕掛けも存在して、技術によってそれをショーへと変える物。
特注のマジック道具を作って欲しいんだ。観客が心の底からショーを楽しむ事が出来て、思わず俺を推してしまうような……そういうなんかすげぇ奴を頼むよ
それは、何者でも無かった一人のファンが多くのファンを得るきっかけとなった物語。
――希代のマジシャンの胸元にはトレードマークである『銀製の兎』が輝きを放っていた。