RECORD

Eno.576 ELMERの記録

未来/白線の先に

この白線境界は、俺と世界を分けるモノ。今の俺は、この線を踏んでいる。その先に進もうとしている。

『僕は許すよ』

飛燕には随分助けられた。チトセも、とうこも跳ね除けてしまって、ファリーダは腕を刎ねた。全てを拒絶し、ヘメトの全てを否定した。それが正解だと思った。
…どうやら、俺はまた間違えた。コレが正しいんじゃない。その望みが、本物だって信じられなかったんだ。

『胸を張って言える答えかそれが』

ヘメトの声が突き刺さる。言えなかったよ。張る胸なんて最初から無かった。否定する事、拒絶する事でしか自分を保てなかった情けない獣だから。

『助けが欲しかったら言ってくださいね』

とうこの声が、まだ鮮明に聴こえる。
強がった。ヒトの枠外にいるのだからこれぐらいは出来ないとって。結局傷付けて、ただ周りを振り回しただけだ。子供みたいだ、俺が。

『あなたはまた傷付くのでしょう?』

ファリーダの声が反響する。傷つく前に気が付けたがのなら良かったけれど、生憎俺は傷つかないと分からなかった。その傷からすらも目を逸らして、自分には何も無い。自分は傷付いても構わないと。そう思っていた。

(罰が欲しかった。ヒトの味方だと証明出来なかったから)

自分の罪から目を背け続け、罰されて初めて許される。そう感じたから。向き合うとも。もう何度目かも分からない。きっと信用を失っているけれど。

『逃げるならそれもいいんじゃない?』

淡々としたチトセの声を思い出す。散々振り回したから、初対面から、ずっと。

…でも、もう逃げないよ。逃げ続けて来たから、あの時俺は返せなかった。だから、もう逃げない。
向き合えるなら、どれだけ罵倒を貰い、どれだけ侮蔑の目を向けられても、向き合うとも。

…ヒトの味方であるなら、責任からも、罪からも逃げられないから。

全てをやり直す事は、きっと…不可能だ。それほどになるまで、俺は逃げ続けていた。

「……だから、やり直すんだ。
呪いも、衝動も、狂気も、責任も、全て受け止める。
BADEND最悪は求めない。俺は、GOODEND最良を手に入れたい。

白線境界の先を踏みたい。ユコと共に生きてでも振り払えなかった痛みを、今度こそは。

「……アーティファクトドライヴ。エンシェント俺が、悪かった。もう一度…応えてくれ

……今度は、繋ぐために