RECORD
Eno.253 クァリの記録
五挺目の銃。
手のひらに収まる大きさの小型拳銃。
闘技にすら使えないそれは、お守りのように胸元に。
焼け落ちた名前を与えてみたが、名前はやっぱり焼け落ちていた。
◆
「森が嫌がっている。お前たち、本当に耳長か?」
「その穢らわしい色をどうにかしてから出直すがいい」
「経緯はどうあれ、お前たちは人間を殺している。私達も反乱分子と思われかねん……」
「おいおい、闇エルフは討伐対象だぞ。……雑種か?」
「耳長なのに魔法が使えないの?銃?冗談やめてよ」
「悪いこた言わねえ、森に帰りなって。ああ……焼けちまったんだっけ?」
耳長にも人間にも溶け込めず、半端な、灰。
それが灰耳長だった。
◆
「なあ、 」
「……?それはおれの名前じゃないよ」
「またそれか。お前は だろうが」
「その名前は焼け落ちたんだってば」
「………イカれてる」
「別の体系を媒介すれば、少しだけ魔法が使えるかもしれないんだ」
「…… 」
「神秘術、錬金術あたりなら負担も軽めに――」
「 !」
「……おれはそれじゃないってば」
「もういい。もう……我らはおとぎ話ではない。過去にしがみ付くのは止せ」
「本当に行くのか?」
「うん。一緒にいたって何も変わらない。彼らは火を探そうともしない」
「……変わろうとしてはいると、思うけどな」
「変わってないよ。矜持の中身を挿げ替えただけだ。……一番しがみ付いてるのはそっちなんだよ」
「……お前の選ぶ、旅路には……きっと何も芽吹かない。それでもお前に救いがあるよう、僕は祈っているから。 」
「……あはは。それはおれじゃないけれど……ありがとう」
爪弾き者の中の、爪弾き者。
それがおれだった。
五挺目の銃。
手のひらに収まる大きさの小型拳銃。
闘技にすら使えないそれは、お守りのように胸元に。
焼け落ちた名前を与えてみたが、名前はやっぱり焼け落ちていた。
◆
「森が嫌がっている。お前たち、本当に耳長か?」
「その穢らわしい色をどうにかしてから出直すがいい」
「経緯はどうあれ、お前たちは人間を殺している。私達も反乱分子と思われかねん……」
「おいおい、闇エルフは討伐対象だぞ。……雑種か?」
「耳長なのに魔法が使えないの?銃?冗談やめてよ」
「悪いこた言わねえ、森に帰りなって。ああ……焼けちまったんだっけ?」
耳長にも人間にも溶け込めず、半端な、灰。
それが灰耳長だった。
◆
「なあ、 」
「……?それはおれの名前じゃないよ」
「またそれか。お前は だろうが」
「その名前は焼け落ちたんだってば」
「………イカれてる」
「別の体系を媒介すれば、少しだけ魔法が使えるかもしれないんだ」
「…… 」
「神秘術、錬金術あたりなら負担も軽めに――」
「 !」
「……おれはそれじゃないってば」
「もういい。もう……我らはおとぎ話ではない。過去にしがみ付くのは止せ」
「本当に行くのか?」
「うん。一緒にいたって何も変わらない。彼らは火を探そうともしない」
「……変わろうとしてはいると、思うけどな」
「変わってないよ。矜持の中身を挿げ替えただけだ。……一番しがみ付いてるのはそっちなんだよ」
「……お前の選ぶ、旅路には……きっと何も芽吹かない。それでもお前に救いがあるよう、僕は祈っているから。 」
「……あはは。それはおれじゃないけれど……ありがとう」
爪弾き者の中の、爪弾き者。
それがおれだった。