RECORD
Eno.208 《4i.無感動》の記録
七情六欲三毒(証言:アパシー
思えばこの道筋は必然であったように思う。
無感動の悪魔が喜びの味を知った事。楽の味を知った事。愛の味を知った事。
自己愛のみであったはずの、その自己すら概念的存在が、新たな書き込みの多さから誤ってしまうのは。
小石の当たり所が致命的に悪かった、というべきか。
それでも悪魔はあんまり後悔とか反省とかしていなかった。
「彼がいなくなったらかなり退屈であるのは目に見えていました」
「彼の為ではないですよ」
「……というのは」
「流石に無理がありますね。結局我赦髑髏の言葉通りの結果となりました」
「死んでいいとは別に思ってはいませんよ。別に死んだわけではないですし。
ただちょっと封印とかされるくらい」
「死んだも同然と言われたら否定はできませんね」
「手帳に閉じ込められるの、ちょっと予想外でした。途中で捨てたりしてもイイと思って新聞とか勧めたんですけど」
「死ぬまでもってそう」
ああ、でも、と悪魔は軽く手を振った。
「でも全部が全部善意と言われたら反論はあります」
「地獄が極楽と言われたら多少抗いたくなるものです。天使でもありません、吾輩は。
彼の言い訳の道を塞いでやって、一人にさせるのは困難と茨の道を強制しているようなもの」
「彼にとってはこれからの今生こそが地獄のようかもしれませんね」
悪魔のささやきを軽く吹き込んでもいることだし。誘惑も魔の一刺しも尽きぬと言う物。
どこかで折れたならまた悪魔が現れるだけなのだ。
「分身を少しの間だけ残したから、さようならだけ言わねばなりませんねえ」
「言ったとしてまあ、……どれくらい現界を漂う事になるのかは分からないのですが」
「……」
「封印されるって、どうなるかなと思ったんですが」
「意外と普通でした。期待外れです。死ぬのも多分、そうでしょうね」
「でも、先代よりはマシな感じかもしれません」
「煙草の匂いも痛みも残っておりますから」
「気はだいぶ紛れます。そんな心地」
「退屈で死ぬような、どうでもよくなって全部捨ててしまうような終わりではなかったということですから」
「それなりに……果報やもしれませんね」
無感動の悪魔が喜びの味を知った事。楽の味を知った事。愛の味を知った事。
自己愛のみであったはずの、その自己すら概念的存在が、新たな書き込みの多さから誤ってしまうのは。
小石の当たり所が致命的に悪かった、というべきか。
それでも悪魔はあんまり後悔とか反省とかしていなかった。
「彼がいなくなったらかなり退屈であるのは目に見えていました」
「彼の為ではないですよ」
「……というのは」
「流石に無理がありますね。結局我赦髑髏の言葉通りの結果となりました」
「死んでいいとは別に思ってはいませんよ。別に死んだわけではないですし。
ただちょっと封印とかされるくらい」
「死んだも同然と言われたら否定はできませんね」
「手帳に閉じ込められるの、ちょっと予想外でした。途中で捨てたりしてもイイと思って新聞とか勧めたんですけど」
「死ぬまでもってそう」
ああ、でも、と悪魔は軽く手を振った。
「でも全部が全部善意と言われたら反論はあります」
「地獄が極楽と言われたら多少抗いたくなるものです。天使でもありません、吾輩は。
彼の言い訳の道を塞いでやって、一人にさせるのは困難と茨の道を強制しているようなもの」
「彼にとってはこれからの今生こそが地獄のようかもしれませんね」
悪魔のささやきを軽く吹き込んでもいることだし。誘惑も魔の一刺しも尽きぬと言う物。
どこかで折れたならまた悪魔が現れるだけなのだ。
「分身を少しの間だけ残したから、さようならだけ言わねばなりませんねえ」
「言ったとしてまあ、……どれくらい現界を漂う事になるのかは分からないのですが」
「……」
「封印されるって、どうなるかなと思ったんですが」
「意外と普通でした。期待外れです。死ぬのも多分、そうでしょうね」
「でも、先代よりはマシな感じかもしれません」
「煙草の匂いも痛みも残っておりますから」
「気はだいぶ紛れます。そんな心地」
「退屈で死ぬような、どうでもよくなって全部捨ててしまうような終わりではなかったということですから」
「それなりに……果報やもしれませんね」