RECORD

Eno.85 ツェツィーリエの記録

むかしばなし

「………」



「実は、女の子らしい恰好が好きだった気がします」



「お母様に結構、髪を触ってもらって、いろんな髪型をするのが好きだった気がします」



「昔のことすぎて覚えていません」



曖昧な供述になるのは。
あまり昔のことを覚えていない気がする。
芸術が好き。
ツボが好き。

飾られている壺を眺めて、少し昔を思い出す。


「…」





うまく思い出せないでいる。
確か、そんな子供だった気がする。
確か、そんな子供だった気がする。



「…」



「まあ、今を生きる自分には関係ないですね」



子供の頃のこと覚えている人も少ないし。

今日も前へ。


別にこれは解決できなくて良いこと。
今後の生き方に関わるものではない。
これがあるままでも、これの生き方は変わらない。
明日もきっと明るい日。

おれず、曲がらず。