RECORD

Eno.580 シンディリスの記録

500勝して、兄貴に会ってからの事(1)

結論から言おう。

兄貴に騙されてた



兄貴からの返事が来て、数日の後。

待ち合わせの手紙を受け取り、路地の一角で兄貴を待てば。

兄貴は現れた。

挨拶もそこそこに、本題に切り込んで程なく。

目の前にいた兄貴の姿が消えて、気が付けば。

オレの腹に、刺突剣エストックが突き立っていた。


幻影術を使い、背後に回った兄貴がオレを始末する殺す気でやった。

詰まる話、あのクソ兄貴がオレにこのフラウィウスで500勝するなんて、条件を付けたのは。

ハナからオレを、フラウィウスこの場所で屠るつもりだったって事だ。

普通、剣闘となれば負けた側は、死ぬか、再起不能の大怪我に見舞われるのが一般認識だ。

クソ兄貴も、そうと踏んで此処に送り込んだんだろう。

ところが、その認識を見事にブッ壊したのも、この場所だ。

連戦乱戦私闘とに関わらず、剣闘試合モノマキアが成立すれば、どんな傷、或いは怪我だろうと巻き戻りと治癒魔法の対象になる。

この点は、オレも当初誤解していたトコだ。


んで、後ろから不意討ち食らったオレは、一気に命の危機に晒された。

ダガーのアンブッシュとか、カランビットナイフのバックスタブとか、そんな生易しいもんじゃねぇ。

心臓に一突きされなかったのが、運が良かったと言って良いくらいだ。

ま、それも長くは続かなかったが。

通りすがった<白梟>の旦那が、能力を使ってクソ兄貴の刺突剣を、中から断ってくれた。

それに加えて、クソ兄貴の行動阻害と、オレの痛覚鈍化に加えてリミッターの解除を、チトセがしてくれたんだ。

ホント、二人には感謝してもし切れねぇ。


そんで武器を失ったクソ兄貴は、結局拳でオレをボコると決めて、それを迎え撃たんとオレも徒手空拳ステゴロで飛び掛かる。

正しくクソ兄貴とオレがカチ合う寸前まで来た時だ。

クソ兄貴の腰に繋がっていた銀十字が、オレ達の前に飛んで行き、目の前に躍り出た。

そして、それは痛覚の鈍ったオレの腹の傷に飛び込み、忽ち完治させちまった。


オレに飛び込んだその銀十字こそが。

オレが探していたセラ姉だったんだ。



ちょいと長くなっちまったんで、一度筆を置こう。

また後日書く事にする。




Sindelis Glorio Fercartaシンディリス・グロリオ・フェルカータ