RECORD

Eno.54 アジュール・プリズムの記録

踊っていたかった生きたかったのです。

 躓き、傷まみれで、
   溺れるみたいに、酸素が足らず、
     鼓動はなく、見苦しくとも、無心無垢で在れました。

舞台、足元は脆く崩れようとも、立ち続けましょう。
照明、当てられずとも、暗闇の中で踊りましょう。
音響、声無き思考と感情も、掬い上げましょう。
衣装、心を守る見栄も虚勢も、赦しましょう。
観覧、席はございません、途中退場も赦さず。
演者、別の形に成った仲間達へ、神秘の終焉と、天使の祝福を捧げましょう。

  台本と演出、そんなもの、とうに朽ち果てましたので、
   薪に焚べ、灰にして、世界に撒いてやりましょう。



薪を焚べた硫黄が青の焔を上げる。
熱と電気の伝わりにくいそれは対話めいていた。
それは、決して伝わらないわけじゃない事を、証明する。

灰燼が薪を抱くのであれば、人が薪を焚べましょう。
熱して、火に曝して、焔を纏わせてからっぽになっても、からっぽが残されて
濡らして、固めて、形を変えて罰は足りず、ゆるされたくない、と言うのなら

灰から鉱滓に成り、尚、のこる灰も、使われるべきなのでしょう停滞も遁走も罪悪も嫌悪も自罰も破滅も利己も利他も赦さない
何にも成りたくなくて、何で在るか疑念を抱えて生きる事は、自傷行為に他ならない。
森を燃やし、水を濁らせ、白にも黒にも成れず、とも。
この世界に、価値の無い存在は、あってはならないのです。



「あなたのわがままと、わたしのわがままで」
「……約束」


わがままの天秤は不均衡だろうと
執着は大きく傾いていた。


薬莢は、未だ、不変。