RECORD

Eno.8 スフェーンの記録

インカローズ:5



──味なんかわからなかったんだな。

並ぶ食卓。
マザーの作る料理はいつも美味しい味をしていた。
いただきますと手を合わせて食べるのは、感謝というよりは習慣だ。
ずっと昔から引き継がれてきた人々の。

お姉ちゃんは少食だった。
ずっと昔は少食だった。
けれども、星の声を聞いた翌日は毎度よく食べるのだった。
だんだんと酷くなっていく。
よく食べる。

よく食べる。

よく食べて肥えている。



「ご馳走様」

幸福な声が聞こえた後に、短いお別れの会をやって、彼女は連れていかれた。