RECORD

Eno.576 ELMERの記録

竜の刻印

『特別……とく……べつ……んふふ…ふふ…』

1匹、夜の出来事を思い返す。突然の事で頭がいっぱいだったけど、とても、とても濃密な一夜であった。

『……』

いずれ離れてしまう。だから受け入れた受け入れられた一夜。刻印ボクの証を残して、それから……

竜は夕焼けを見上げた。昼間は分散するエーテルが多く、かつ人がエーテルを吸ってしまう。竜の体を構成するエーテルを多く確保できるのは、外に出る人が減る夜のみだけ。結晶が近くにあれば、そんな事は無いのだけど、残念ながら結晶体は動けない。

『………ねぇ、ヘメト。キミはボクの事を、特別と言ってくれた。嬉しかったよ。とても…でも……』

もし、その先があるのだとしたら……

『…ねだってもいいのかな。ボクは…』