RECORD

Eno.36 草創のナハネアウローラの記録

安息の終わり

かの地から遠ざかった後。
女が貴方を追い掛けて、どれほどの月日が経っただろうか。

宙を泳いだ貴方に、案外すぐ辿り着いたかもしれないし。
"貴方"を辿るのに何時間も、何日も、何年も経ったかもしれない。

空白は、長かっただろうか。短かっただろうか。
貴方は、遠い理想郷へと辿り着いただろうか。

昏く、静かで、誰も何も傷付かない安息を。
貴方は、掴めたのだろうか。

『ネアさま』




光差すラウンジの空間で。
波が打っては引き返す海辺で。
暗い、昏い、路地の奥まった狭い場所で。

貴方の名を、何度呼んだことだろうか。

「ネアさま」



そして、また。
もう遠い記憶にあるか、明日のことのように新鮮か。
聞き覚えのある声が、貴方の元へと――至った・・・

その時、何があったか。どうなったか。

それは、いつかまた。
どこかで語られるかもしれない。