RECORD

Eno.34 シャルティオの記録

【2 迷宮を抜けて】

 
 おにーちゃんと色々と話して、自分の勘違いとか、
 見なかった振りをしていたものとかを理解した。
 ……兄さんは敵じゃなかった。
 兄さんのあの行動は、自己犠牲だったんだ。

「……僕は、確かに愛されてた」



 だからこそ、胸が痛くて仕方がない。
 兄さんは僕を、母さんという呪縛から
 国賊となってまでして解き放ってくれたんだ。

 酷い言葉を投げてしまった。
 謝りたいのに、僕らはもう会えない。
 片や王様、片や国賊。僕らの未来はもう──

「…………」



 それでも、僕はこの道を生きてく。
 ねぇ兄さん、僕は此処で笑ってるからさ、
 兄さんもどうか、幸せにね。

「…………大好きだよ」



 愛してくれて、ありがとう。