RECORD
Eno.314 闘技者の記録
あの子と私の話
あの子のことは本当はよく知らなかった。
知っていたのは、あの子は孤児だったこと。誰かの奴隷だったこと。それと、私が買うまでは、されてきたこと。
だから助けたいと思ったから、父に直談判して口論になって、なんとか引き取ることが出来た。
その代わり、父の言う通りにすることと、家を出ないことを約束して。
その時は、助けられたらそれでいいと思った。
どんな形であれ、私が、私にも、助けられることを、守れるんだってことを証明したかった。
まだ考え方が幼稚だったなと今になって思っていて、出来ていなかったことにひどく落胆した。
引き取った後は、私の身の回りのことをやってもらうようにしたんだけど、最初は全然で、問題もいくつかはあった。
あの子が男の子だったから、世話をするとなるといろいろ出来ないことがあったこととか、孤児だったから文字の読み書きや常識とか教えなきゃいけないこととか、やっぱり奴隷だった時の頃がトラウマになっていて、ひどく怯えていたりする時があったこととか。
あの時から感情がなくて人形みたいだった。
それが見てて辛くて、心苦しく感じた時もあった。
買った責任がある。
だから私が教えてあげた。
私には教えられることだってある。ちょっとだけ貴族の家に生まれて良かったって思った。
だんだん窮屈になってきたけどね。
それと、いつかあの子が笑ってくれたらいいなって思うようになったのもこの時からだった。
あ。そっか。
多分、そうだ。
私がいつか家を出て外の世界を見たいと思うようになったのも、きっとあの子がそばにいたからなんだろうな。
自由にもなりたかった、あの人からも責務からも逃げたかった、それであの子も、人間らしくいてほしかった。
いっぱい理由があったから、私は強くなりたいと思ったし、家を出るって決めたんだ。
あなたのおかげだよ。
あなたと出会えたから、私は希望が持てたんだ。
いつかそうでありたいって思えたのは、あなたと出会えたからだよ。
もう大丈夫。
これからも、私があなたを守るから。
あなたがあんなことをもうしないように、私が守るから。
だから私は強くなる。
あなたのために、私たちの自由のために。
あぁ、
私はバカだった。無力だったよ。
結局、約束守れていないじゃん。
もっと、もっと辛い目に逢わせちゃった。
私のせい。
私が家を出ようって言わなきゃ、きっとこんなことにならなかったのに。
ねぇ、あの時、私があの時家を出ようって言った時、あなたはどう思ったの。
いつも、ずっと私に本当の気持ち教えてくれなかったのは、私がひどい人に見えたからだよね。
ひどいよね。
私本位であなたをずっと振り回していた。
考えようともしてなかったかも。
気づいてあげられなかったのかも。
ちゃんと見ていなかったかも。
ごめんね。
いくら謝っても、
ううん、もう私を許さなくていいよ。
私はあなたを傷つけた。
ずっと、ゆっくり人から遠ざけた。
あなたを人として扱っていなかったんだよ。
全部、私のせいだ。
ごめんね。
会いたい。
だけど会えないよ。
私はひどい人だ。
他の貴族とやっていることが同じの最低な私だよ。
ずっと、助けてって言っていたのに。
それにも気づくことが出来なくて、
やっと気づいたのは、あなたが処刑される直前で、
もう、ほとんど、消えちゃいそうになっていた時だったから。
私は最低なんだ。
私は愚かなんだ。
私は無力なんだ。
結局私が持っていた力なんて、何の意味も為さなかったんだ。
だから、どうか、
私を許すなんて、言わないで。
でも、これだけは言わせて。
ニーナ、大好きだよ。
知っていたのは、あの子は孤児だったこと。誰かの奴隷だったこと。それと、私が買うまでは、されてきたこと。
だから助けたいと思ったから、父に直談判して口論になって、なんとか引き取ることが出来た。
その代わり、父の言う通りにすることと、家を出ないことを約束して。
その時は、助けられたらそれでいいと思った。
どんな形であれ、私が、私にも、助けられることを、守れるんだってことを証明したかった。
まだ考え方が幼稚だったなと今になって思っていて、出来ていなかったことにひどく落胆した。
引き取った後は、私の身の回りのことをやってもらうようにしたんだけど、最初は全然で、問題もいくつかはあった。
あの子が男の子だったから、世話をするとなるといろいろ出来ないことがあったこととか、孤児だったから文字の読み書きや常識とか教えなきゃいけないこととか、やっぱり奴隷だった時の頃がトラウマになっていて、ひどく怯えていたりする時があったこととか。
あの時から感情がなくて人形みたいだった。
それが見てて辛くて、心苦しく感じた時もあった。
買った責任がある。
だから私が教えてあげた。
私には教えられることだってある。ちょっとだけ貴族の家に生まれて良かったって思った。
だんだん窮屈になってきたけどね。
それと、いつかあの子が笑ってくれたらいいなって思うようになったのもこの時からだった。
あ。そっか。
多分、そうだ。
私がいつか家を出て外の世界を見たいと思うようになったのも、きっとあの子がそばにいたからなんだろうな。
自由にもなりたかった、あの人からも責務からも逃げたかった、それであの子も、人間らしくいてほしかった。
いっぱい理由があったから、私は強くなりたいと思ったし、家を出るって決めたんだ。
あなたのおかげだよ。
あなたと出会えたから、私は希望が持てたんだ。
いつかそうでありたいって思えたのは、あなたと出会えたからだよ。
もう大丈夫。
これからも、私があなたを守るから。
あなたがあんなことをもうしないように、私が守るから。
だから私は強くなる。
あなたのために、私たちの自由のために。
あぁ、
私はバカだった。無力だったよ。
結局、約束守れていないじゃん。
もっと、もっと辛い目に逢わせちゃった。
私のせい。
私が家を出ようって言わなきゃ、きっとこんなことにならなかったのに。
ねぇ、あの時、私があの時家を出ようって言った時、あなたはどう思ったの。
いつも、ずっと私に本当の気持ち教えてくれなかったのは、私がひどい人に見えたからだよね。
ひどいよね。
私本位であなたをずっと振り回していた。
考えようともしてなかったかも。
気づいてあげられなかったのかも。
ちゃんと見ていなかったかも。
ごめんね。
いくら謝っても、
ううん、もう私を許さなくていいよ。
私はあなたを傷つけた。
ずっと、ゆっくり人から遠ざけた。
あなたを人として扱っていなかったんだよ。
全部、私のせいだ。
ごめんね。
会いたい。
だけど会えないよ。
私はひどい人だ。
他の貴族とやっていることが同じの最低な私だよ。
ずっと、助けてって言っていたのに。
それにも気づくことが出来なくて、
やっと気づいたのは、あなたが処刑される直前で、
もう、ほとんど、消えちゃいそうになっていた時だったから。
私は最低なんだ。
私は愚かなんだ。
私は無力なんだ。
結局私が持っていた力なんて、何の意味も為さなかったんだ。
だから、どうか、
私を許すなんて、言わないで。
でも、これだけは言わせて。
ニーナ、大好きだよ。