RECORD

Eno.34 シャルティオの記録

【終 そしてまた激動の毎日へ】


【終 そしてまた激動の毎日へ】

  ◇

 気付いたら、帰る時になっていた。
 あっという間の数ヶ月間を想う。

 元の世界で戦争があった。
 大切な人が死んだ、裏切られたと思っていた。

 絶望を抱えながらも、
 約束をよすがに再び訪れたフラウィウス。
 喋れなくなって、心配掛けて、
 苦しくて苦しくてたまらなかった最初。

 ノアおにーちゃんの助けを得て、
 兄さんの残酷な真意に気が付いて。
 僕は声を取り戻せたね。

 ノアおにーちゃんを見送った。
 素敵な思い出とオルゴール。
 ありがとう、忘れない。

「──大好きだよ!」


 キィルと仲違いしてたけれど、
 周りの協力のお陰で仲直り出来た。
 ごめんね、僕はあなたを誤解してた。
 これからはまた、いつも通りの主従に戻れるよね。

  ◇

 人混みが怖くなって、酒場に行けなくなった。
 僕はふらり訪れたダイナーで、大切な友人と“家族”を得た。
 ダイナーが新しい居場所になった。
 ダイナーでなら、僕は落ち着けた、自分らしく在れた。

 厳しくも思いやりに満ちたおとーさん、
 花の魔法を使うスシさん、
 僕の往く道をそっと照らしてくれるにーさま、
 寡黙だけれど本当はとても優しいニーズ、
 目的の為にひたむきに努力していたシン、
 怖く見えるけれど本当はあったかいマサにぃに、
 いっぱい奢ってくれたコテツさん、
 何やかやでそれなりに話したナナイさん、
 いつも夜遅くに現れるクロ、
 色々と気に掛けてくれてたエリさん、
 最後に約束交わしたポスト……。


 前の大会の時からの絆もあるけれど。
 ダイナーで新しく紡いだ絆も、いっぱいで!

 リオと、ソラと、ナノおねーちゃんと、色々と話した。
 リオとも新しい約束を交わした。
 大切で大好きな君と、もっと親しくなれた気がする。

 僕は死なないから、君もどうか死なないで。
 また絶対に会おうねと誓ったそれは、
 僕の生きるよすがとなる。

 楽しかったな。忘れない、忘れない。
 そうして僕はまた、日常に戻ってくるのだ。

  ◇

 戻ってきたら季節は冬。
 こことあちらとでは流れる時間が違う。

 皆と別れるのは寂しい。
 帰ったら後で泣いてしまうのかも。
 あぁ、でも、大丈夫だよ。

 僕には僕のやるべきことがある。
 きちんと王としての使命を果たして、
 今日を生きていくんだから。

 僕に全て託して消えた兄さんを思う。
 ねぇ、遠くで見ていますか?
 あなたともいつかまた会えるかな。
 そしたらちゃんと、謝るから。

 見上げた夜空には天狼星。
 大切な思い出と星の欠片抱きしめて、
 僕は前を向いたんだ。

「…………」


──戦いは、これからだ。

【To be continued……】