RECORD

Eno.134 キィランの記録

【終 俺の、俺らしく在れる場所】


【終 俺の、俺らしく在れる場所】

  ◇

 シャル様が元の世界へ帰る日になった。
 あぁ、終わったんだなと感慨のようなものを抱いた。

 俺は従者。主人に、シャル様に従うのが俺の使命。
 分かっている。俺は望んでそれをやっている。

──本当にぃ?

 まぁ俺の真意がどうであれ、
 俺にはそれしか道がないし、
 従者である俺が嫌いではない。

 別れの時。シャル様と共に
 ダイナーに行っても良かったのだろうが、
 ダイナーは俺の居場所ではなかった。
 俺が行ったのはカフェテラス、スイーツのバベルの聳えるところ。

 貯めてたなけなしの金を放出して、
 来るなり5連バベルをして、
 ガトーショコラで個人攻撃もして。

 いつもみたいに愉快な奴らに囲まれて、
 やんややんやと楽しい宴。

 俺の本性は綺麗なものじゃない。
 俺はそれを隠して日々を生きている。
 でもカフェテラスでなら、本当の“俺”でいられた。
 ここは、俺の、俺らしく在れる場所だった!

 テルル様が、いつかみたいに綺麗な飴をくれた。
 あぁ、アンタの素敵な魔法、忘れないとも。
 あの優しく爽やかな味は、俺の人生の宝物。

 他の奴らとも騒いで、ふざけて。
 あぁ、大好きだよお前らのこと。
 メフィス様から貰ったお土産を手に、
 そして俺は大好きなカフェテラスを去った。

 モルギリオン、心優しき闇の星。
 アンタと出会ったきっかけも、
 元を言えばこのカフェテラスだったな。

 エンジロウ様を追いかけてビーチに着いて、
 そこで出会って踏み込まれて、初めて本心を語って。
 エンジロウ様には謝りたかったが、機会がなかった、仕方ない。

 思えば今シーズンの俺の色々は、
 このカフェテラスが
 きっかけになっていたのかもな、なぁんて。

 最後にモルギリオンにも会いたかったが……
 まぁ俺たちはいずれまたフラウィウスへ戻る。
 その時にも会えるだろう。

 そうして俺たちは、帰還する。
 空っぽな地上の星でも、これから先、
 俺を満たすものを見つけられるかな?

 シャル様という月の導く未来の陰、
 悪魔の星はそっと輝く。

 なぁシャル様、俺に見せてくれよ。
 フェン様の託したその先を──!

 ひとまずはシャル様の婚礼と、
 魔局を潰すことが今後の課題。
 俺は従者として、シャル様をずっと支えていよう。

 皆とまた会える日を、楽しみに。

「それまでみんな──元気で、な!」


【To be continued……】