RECORD

Eno.599 亜久津 魔沙兎の記録

(一部の文章が冷却水で滲んでいる)

オレは確かに人間じゃないから怖いかもしれない。

オレだって好きで人間を辞めたわけじゃねえ。

もし出来るなら、人間に戻りたい。

だから、お願いだから。

まるで腫れ物を見るような目でオレを見ないでほしい。


ーかつて、電脳人間は人と同じように生きようとしたが。
 不老であり人ならざる彼等を歓迎する人間など殆どおらず。
 賑やかな場所で人間は会話していても、電脳人間はスルーされた。
 まるで腫れ物のように。
 それが、魔沙兎にとっては何よりも辛かった。
 まさか、ここでもそうなるとは思わず。

当時の状況を見て、自分は人間じゃないからああなったと確信し。
今はただ、ぐちゃぐちゃの思考回路を冷却するのみだった。