RECORD

Eno.57 テル・メルの記録

*サービス

「どういうつもりだ」


「?」

「どういうつもりだ」「っつってんだよ」


「あーごめんごめん、声があんまりちいさいものだから」

「……」


「もー、そんなに睨まないで。
 かわいいお顔が台無しだ……よ?」

「……」


*抜かれた刃は、それの首へと吸い込まれ
*皮一枚を切り裂き、静止する。

「おお怖い。
 勘弁してくれ、まだまだすることがあるのに」

「ぬかせ」


*それは大げさに手を上げて、苦笑。
*いや、鼻で笑っただけとも言えるか。

*それはいつも笑っている。

「ひとつ言っておくと、商人とは商機を逃さないもの。
 絶叫の種ったら、もう取引のことはほったらかし。
 きっともう必要なかったんだろうね、不信の一粒もすぐに用済みだったし。
 だから今度は……」

*__
*笑っているけど
*その笑みは、どこまでも変わらないのだ。

「アンティークシリーズ、No.6か……いや、4を欠番として、君は7だっけ。
 どうでもいいか。

 これはサービス。
 これも望みでしょ?
 僕は君の支援者じゃないけど」

「……」


「期待、してるんだから」

「……ッ!?」


*この身は、窓辺で黄昏ていた。
*いつから?

「ああ」「もう」「……」


「ッ゛ツ」クソデカ舌打ち


*……顔を覆う。
*どんな顔して会えばいい。
*もう、会えてしまう。

偽物これの」「くせに」「……」


*本物テルルに、なんて。

*境界のアンティークこれには、許されないはずなのに。