RECORD
Eno.313 《7i.色欲》の記録
彼に力を使ってもらった。
ケガをするとは事前に聞いてて、
覚悟はしていたんだけど、想像以上に酷い有様で。
それでも約束通り、生きててくれて。
ケガはひどかったけど、──きれいだった。
きらきら輝く宝石の目。虹色の光。
もうあの輝きを見ることはないんだろう。
力、使う機会はない方がいいから。
その後に開いたふたりだけの夜のお茶会。
お菓子も紅茶も、びっくりするほどおいしくて。
これが『普通』の味なんだなあ。
一緒に同じお菓子を食べて、
同じおいしさを感じられてるんだって、
普通のことが普通にできるのが嬉しくて。
自分がいなくなった後も残るものをあげたかったって、
彼はそう言ってた。
そんなの思い出だけで十分なのに。
ほんと ほんとにさ。頑張りすぎなんだから。
……うれしかった。
ずっとつらくて、でも諦めてたことが。
一転してしあわせで、楽しみなことになって。
キミが好きなもの、いっぱい教えてもらわないと。
共有した味がいつまでも記憶に残るように。
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左手の薬指、通された銀の指輪。
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あしらわれた宝石に口付けを落とす。
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彼に力を使ってもらった。
ケガをするとは事前に聞いてて、
覚悟はしていたんだけど、想像以上に酷い有様で。
それでも約束通り、生きててくれて。
ケガはひどかったけど、──きれいだった。
きらきら輝く宝石の目。虹色の光。
もうあの輝きを見ることはないんだろう。
力、使う機会はない方がいいから。
その後に開いたふたりだけの夜のお茶会。
お菓子も紅茶も、びっくりするほどおいしくて。
これが『普通』の味なんだなあ。
一緒に同じお菓子を食べて、
同じおいしさを感じられてるんだって、
普通のことが普通にできるのが嬉しくて。
自分がいなくなった後も残るものをあげたかったって、
彼はそう言ってた。
そんなの思い出だけで十分なのに。
ほんと ほんとにさ。頑張りすぎなんだから。
……うれしかった。
ずっとつらくて、でも諦めてたことが。
一転してしあわせで、楽しみなことになって。
キミが好きなもの、いっぱい教えてもらわないと。
共有した味がいつまでも記憶に残るように。
「……………」
左手の薬指、通された銀の指輪。
「無茶ばっかりして嘘つきで」
「情けないけど、ときに頼りになる」
「可愛くてカッコいい、私だけの王子様」
あしらわれた宝石に口付けを落とす。
「愛してるよ、──」