RECORD

Eno.48 Siana Lanusの記録

◇84

今、自分が何に苦痛を感じているのか。
それを徐ろに考えた時、理想との乖離というのが主かも知れないと。
ではその理想とは何か。清流の認めた意志ある姿だろう。
この前靄が掛かって見えなかった、私の望み。
清流の意志とは破壊の意思であり、流転の意思。
望まれない現状を打破する意思で、
それにより皆がより良くなることを望んでいて、
いるのに、

近頃は無力感が強いのだ。
話を聞いても何も出来ない、とこびりついたように思って
人の悩みに耳を傾ける事すら出来なくなっていた。
自分が聴いたところで意味が無いと思っていた。
傾聴し、現状を打ち砕く術を示す事が出来なくなっていた。
……原因は分かる。思った以上に無力感が胸に刺さっている。
私に世界を変えるだけの力は無い。


理想を叶えるだけの精神的な余力が無い。
ささやかな共通項での不快感情の想起が多い。
関係の無い言葉に触発されてざわつく。
心に傷が多い、痛みが引かない。頭が回らない。
そうして理想から遠のいてばかり。水は濁るばかり。


『お前の判断は間違っていない』


『無駄にするなよ』



……。


シスター服を選んでいた。
もはや過去の自分をなぞる事でしか、
今の己を受け入れられない気がした。