RECORD

Eno.8 スフェーンの記録

Record:スフェーン:5

「……」



マザーは、度々、君は役者になるのだと言っていた



冗談だと思って苦笑いをしていた。

「なれることでしょう、きみは」

「だからこの目を誰にも見せないように」

「どれだけ美しいものでも」


「それは害でしかないのです」


「……」



「………」




すげえ悲しかった」




その言葉がひどく胸に刺さっていた。
事実としてそうだったから、余計に自分のしがらみとなっている。
少しでも輝きを見せたら、相対する人は目を回すから。
それは不本意であり、嫌だと思った。
その人の未来から過去まで覗いて、反転させられる眼。
マザーは、初めっから知っていたかのよう。


でも、自分は、害でしかないといわれて。

自分は、そう言う力を持っている分。

最も努力して、頑張って、誰よりも力になれるようにならないとって。
誰かの力にならないとって。

それが走り出すためのきっかけならさもありなんね。


「……ほんとくだんねえな」