RECORD
Eno.8 スフェーンの記録
![]()
カルミアからあの動画を見せられた日。
その日から、ただの人間として外に出れないものかと考え始めていた。
あんなもの見せられて具合が悪い。
役者として、そして出演者として出る人間の末路を、俺たちは知ってしまった。
頭をぶん殴られて、世界が一変してしまった。
なんていうか、本当に大回転してしまったようなものだ。
今まで見た景色は、急な黒の絵の具で塗りつぶされていく。
ただ、同時に感じていた違和感のパーツがカチカチハマっていって。
逆に気持ちが悪かった。
![]()
![]()
![]()
けれど、長年染みついたそれを否定するのは心苦しくて。
けれどもあの映像とカルミアの苦しみの是非を調べたくて。
とかく、外に出て、何かしらを見て、真実と、外の世界を見なければいけないのだと思った。
いい子の俺の、初めての反抗。
![]()
![]()
![]()
![]()
みたいしんじつをしんじたい!
子供の願望がむき出しになっていて、それしか見えなくて、飛び出す矢のように。
![]()
![]()
![]()
あの時、後日聞いたこと。
居住区の外にいる人が、自分の名前をつけてくれたのだという。
名前は大切なもので。
そんな大切をつけてくれる人なら。
マザーが言ってた、親という人で。
親という人は、大人らしい。
もしもマザーが、本当にそんなことしてるなら。
親という人は大人だから。
頼るのは、そこしかないって、
…
害じゃないって、言って欲しかったのかも知れない。
自分が自分であるための証拠らしいから。
だったら、こんなにいい名前もないから。
きっと、害じゃないって、
![]()
![]()
目は自慢だけど、誰にも見せられない。
誰かを苦しめるもので、マザーも嫌がっていて。
意味が欲しい。
◇
![]()
![]()
![]()
……
居住区とはまるで違うその場所と。
人の多さと。
看板に。
肝を抜かれて。
逃げるように、町中をかけていた。
Record:スフェーン:7
「…馬鹿みてえ」
カルミアからあの動画を見せられた日。
その日から、ただの人間として外に出れないものかと考え始めていた。
あんなもの見せられて具合が悪い。
役者として、そして出演者として出る人間の末路を、俺たちは知ってしまった。
頭をぶん殴られて、世界が一変してしまった。
なんていうか、本当に大回転してしまったようなものだ。
今まで見た景色は、急な黒の絵の具で塗りつぶされていく。
ただ、同時に感じていた違和感のパーツがカチカチハマっていって。
逆に気持ちが悪かった。
「星の声を聞いて、具合悪くして倒れる人たち」
「やっぱ、それって正常ではないって」
「そんなのおかしいって、言って良かったらしい」
けれど、長年染みついたそれを否定するのは心苦しくて。
けれどもあの映像とカルミアの苦しみの是非を調べたくて。
とかく、外に出て、何かしらを見て、真実と、外の世界を見なければいけないのだと思った。
いい子の俺の、初めての反抗。
「俺にはなんの不満もなかったし、害があるなら余計いい子にしてなきゃならない」
「でも、それよりも大切にしなきゃいけないのは、知ってる子の悲しいだと思う」
「ついで、出演者や役者になれることは喜べというマザーへの信頼を疑うような物を見せられて、頭を揺さぶられていた」
「本当に喜ばしいことであるって、証明したかったのもあって、クリスオラも元気してるって、カルミアに言いたかった」
みたいしんじつをしんじたい!
子供の願望がむき出しになっていて、それしか見えなくて、飛び出す矢のように。
「…」
「……」
「……あとは、自分の名前をつけてくれた人に会いたかったんだ」
あの時、後日聞いたこと。
居住区の外にいる人が、自分の名前をつけてくれたのだという。
名前は大切なもので。
そんな大切をつけてくれる人なら。
マザーが言ってた、親という人で。
親という人は、大人らしい。
もしもマザーが、本当にそんなことしてるなら。
親という人は大人だから。
頼るのは、そこしかないって、
…
害じゃないって、言って欲しかったのかも知れない。
自分が自分であるための証拠らしいから。
だったら、こんなにいい名前もないから。
きっと、害じゃないって、
「馬鹿らしい、馬鹿らしい、馬鹿らしい」
「…………嫌になる」
目は自慢だけど、誰にも見せられない。
誰かを苦しめるもので、マザーも嫌がっていて。
意味が欲しい。
◇
「警備は本当にざるで、すぐに居住区の外には抜け出せた」
「……そとの世界」
「都市セレシオン」
……
居住区とはまるで違うその場所と。
人の多さと。
看板に。
肝を抜かれて。
逃げるように、町中をかけていた。