RECORD

Eno.114 ラッパル・ビットボリアの記録

其は死を意味す

血肉の臭い

死の臭い

あたりにどんよりと感じて、鼻につく

カッと刃先を岩につけた時

「おーっと、そこまでだ、ラッパル。」

静止の言葉。

無言のまま、刃先をそのまま、振り返る。

「……嫌なのはわかる、敵だろうが味方だろが、戦いの後はそういうことになる。」

「だからお前は辺りをすべて焦がす。」

「……一番隊は本隊の任だったとおもうけど。」

「火の手が上がる前に止めに来ただけだ、こっちもカタがついてるからな、だいたい……」

「陽動から帰ってこないから迎えにきた。というのが一番の理由だ。」

「……。」

「帰るぞ、何にしたって長居したくないだろ。」



……………………


「…夢か。」

呆けた血を叩き起こしたせいか、どうにも思い出す血なまぐさい思い出

ちらと部屋の隅をみやる。 そこにあるのは本当の自分の得物の槍斧『燧』

岩や鉄に滑らせて火花を散らして発火し、対象や辺りを燃やす。そういう術式の織り込まれたれっきとしたマジックアイテム。

焼けた臭いで死の臭いを遠ざけるためという目的も込で頼んだヤツだ。

「でも……。」

この武器を振るっていることそのものが死を意味する。それは敵はもとより、味方でも同じだ。


何故ならそのまま


その火で弔うから。