RECORD

Eno.313 《7i.色欲》の記録

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「……」



現界に帰ってきて、キミの部屋を用意して。
新調したベッドの上、キミの寝顔を眺めている。



「……いるなあ……」



いるなあ。

本当に、連れて帰ってこれたんだなあって。
実感がちょっと、まだふわついてて。

耳をすませば寝息が聞こえて、
頬に触れれば体温があって。


「………」


「……」



「……いるなあ……」



いるんだよね。

必需品を買いに街へ行ったとき、
それはそれはもう情報量に目を回したことだろう。
お上りさんってこういう状態を言うんだなあ。
知ってるけど見たことない、そんなものばっかりみたいで。
キミの反応ひとつひとつが、面白くて可愛くて。
周りの人が怪訝な顔をしていたのは内緒にしておいてあげよっと。

明日はどこに連れていこうかな。
本を読むが好きみたいだから、図書館とか大きい本屋さんなんかいいかもな。
帰りにおしゃれなカフェとか、レストランに寄ったりして。
すてきな雑貨屋さんが近くにあればそこも覗いて行きたいな。
いい茶葉やコーヒー豆も買って帰りたいし、お店を調べておかなきゃね。

明後日はどこに連れていこうかな。
あんまり多様ないきものがいなかったみたいだから、
水族館とか動物園とか、そういうところに行ってみるのも楽しいかも。
海の生物なんて特に変わった生態が多いし、
イルカやシャチのショーなんか見応えあるしね。

明々後日はどこに連れていこうかな。
過ぎた時間を後悔しないように。やり残したことがないように。
100年もない短い時間を楽しいで塗りつぶせるように。


「……」


「……どうか、」



「キミの毎日が、すてきな一日になりますように」



晴れの日も、雨の日でも。
この空が輝いて見えますように。











キミと一緒に、本物の虹を見られる日が楽しみだ。