RECORD

Eno.576 ELMERの記録

【剣】声の数

殺せ

うるさい

殺せ

うるさい…!

殺せッ!

「…黙れ…

…………

呪いが消えきらない。あれからずっと、頭の中で何人もの声が叫び続けてる。正直、死にたいと思っていた時よりも、この声だけで狂い死ねる。

「………ムゥ…」

隣で眠る雛鳥に声をかける。ルラキのおかげで、路地の奥に仮の休み場が出来たのは助かるが…どうも柔らかい寝具は、私が眠るのには向かない。頭の中が煩いのもあって。いつも通り眠ることは無い。

『……可愛いね』
「…ええ、可愛い
『…キミの子?』
「……アナタ、前から居たわよね。いつから?
『…ワタシはずっと貴女の中に。私たちはずっと、貴女の傍に』

…どうやら【剣】……自壊アウルの使用によって変なのが脳に出来てしまったらしい。暫くは、コイツと雛鳥の面倒を見るのが目下の日々……

「……大丈夫、大丈夫…」

代わりであったとしても、母親として。この子を守ることが使命。誰からも命令はもう受けない。
できるだけ、この子を優先する。

「……手放すものか。もう二度と…」

救えなかった、あの子のためにも。