RECORD
Eno.576 ELMERの記録
【アウル】夜の灰徊者③
我らは不滅。主が殻を破らぬ限り。
我らは不朽。主が星を捨てぬ限り。
我らは竜の子。我らは源の子。
――――――――――――――――――――――
源星の竜。
世界の、星の奥底で眠るたった一匹の竜。ヒトは、それを掘り当てた。それが全ての始まりだった。
世界に呪いと呼ぶ、竜の鱗粉が解き放たれた。目に見えぬそれはヒトにのみ影響し、最初は無自覚のまま、ヒトをヒトならざるモノに変えていった。…ヒトが耐える事の出来ない速度で。
(……ん)
目を開ける。気が付けば夕方、そろそろ動く時間だ。次行く場所は……
「…?」
ぴぃ…!
ふと目の前には翼の折れた鳶。咥えているのは…どこから拾ってきたのか、木の実。
(…私は要らないわ、アナタが食べなさい)
尻尾でちょいちょいと払う。ひょこひょこと跳ねて避け、木を背に立ち上がり歩を進める。
……微かに聴こえる、遅れた足音。
くるりと振り返れば、先の鳶がついてくる。
(…1夜だけよ。これ以上は……)
尻尾で払う。殺さないだけ温情、日が上がったうちにどこかに行けば良かったのに。そうしなかった時点でこの鳶は死ぬ。そこまで面倒を見る必要は………
翼を引きずり、それでも木の実は口から離さずについてくる。ずっと遅くて、すぐにでも見失ってしまいそうなのに。
(……アナタの選んだ道よ。文句は言わないでね)
…懐かれてしまった以上仕方ない。あの場で殺さなかった私の責任だ。尻尾で抱え、歩を進め始めた。
………しばらく歩いて、四つ目の研究所に。人気はもちろん……無い。
(……ここもダメ。脱走痕は…無い?ホントに?)
かつ、と歩を進める。研究所の中へ、ゆっくり、鳶と共に。
(…酷い。ココは呪いが濃いのね…どの死体も、歪に進化して…)
生きたまま体が急速に進化し、それに耐えられず体がぐちゃぐちゃになっていく。激痛とおぞましい変化の中で、人は苦しみながら死んでいく。
…ふと、ヒトの1人が歩を進めようとした通路に目がいった。なるほど、この先が最奥か。
(ここだけ作りが簡素ね。まるでここから研究所を伸ばしたみたいな……)
先は真っ暗。壊れた扉から、得体の知れない気配を感じる。
(……行くか)
闇の奥へ。ゆっくり、ゆっくり足を進めていく。
我らは不朽。主が星を捨てぬ限り。
我らは竜の子。我らは源の子。
――――――――――――――――――――――
源星の竜。
世界の、星の奥底で眠るたった一匹の竜。ヒトは、それを掘り当てた。それが全ての始まりだった。
世界に呪いと呼ぶ、竜の鱗粉が解き放たれた。目に見えぬそれはヒトにのみ影響し、最初は無自覚のまま、ヒトをヒトならざるモノに変えていった。…ヒトが耐える事の出来ない速度で。
(……ん)
目を開ける。気が付けば夕方、そろそろ動く時間だ。次行く場所は……
「…?」
ぴぃ…!
ふと目の前には翼の折れた鳶。咥えているのは…どこから拾ってきたのか、木の実。
(…私は要らないわ、アナタが食べなさい)
尻尾でちょいちょいと払う。ひょこひょこと跳ねて避け、木を背に立ち上がり歩を進める。
……微かに聴こえる、遅れた足音。
くるりと振り返れば、先の鳶がついてくる。
(…1夜だけよ。これ以上は……)
尻尾で払う。殺さないだけ温情、日が上がったうちにどこかに行けば良かったのに。そうしなかった時点でこの鳶は死ぬ。そこまで面倒を見る必要は………
翼を引きずり、それでも木の実は口から離さずについてくる。ずっと遅くて、すぐにでも見失ってしまいそうなのに。
(……アナタの選んだ道よ。文句は言わないでね)
…懐かれてしまった以上仕方ない。あの場で殺さなかった私の責任だ。尻尾で抱え、歩を進め始めた。
………しばらく歩いて、四つ目の研究所に。人気はもちろん……無い。
(……ここもダメ。脱走痕は…無い?ホントに?)
かつ、と歩を進める。研究所の中へ、ゆっくり、鳶と共に。
(…酷い。ココは呪いが濃いのね…どの死体も、歪に進化して…)
生きたまま体が急速に進化し、それに耐えられず体がぐちゃぐちゃになっていく。激痛とおぞましい変化の中で、人は苦しみながら死んでいく。
…ふと、ヒトの1人が歩を進めようとした通路に目がいった。なるほど、この先が最奥か。
(ここだけ作りが簡素ね。まるでここから研究所を伸ばしたみたいな……)
先は真っ暗。壊れた扉から、得体の知れない気配を感じる。
(……行くか)
闇の奥へ。ゆっくり、ゆっくり足を進めていく。