RECORD

Eno.395 ファリーダの記録

【許可証】

これは少し前の物語。
闘技場を運営する事務局に竜の姿。

「お疲れさまです、うっと……ちょっと聞きたい事があるのですが」


「はい、何でしょうか?ファリーダ様」


「う?ボクの名前知ってるですか?」


「闘技者として登録している方はすべて記憶しております、それにファリーダ様はその中でも限られている【剣闘王】の1人ですので」


「なるほど?」


「それで、はご用件は何でしょう?」



しばし考える、許可が貰えるかどうかわからない事だから。
それでも、したい事の一つ。

「永住許可証が欲しいのです」


「? ファリーダ様にはすでに発行されていると記憶しておりますが」


「うっと……ボクの分ではなくて、プレゼントとして渡したいのです、可能です?」


「保証人がいれば可能です。
お渡ししたい相手が闘技者登録をしているなら、お相手様の事もある程度は保証されているとみなされます」


「闘技者登録はしてあるはずなのです。
……それで、ただの永住許可証ではなく。
勿論、永住してもいい許可も欲しいのですが。
この場所に長期滞在してもいい、気が向いたらこの場所に来て遊んでもいい。
そんな許可証が欲しいのですが……可能です?」



「少々お待ちください」



わがままな事を言っているのはわかっている。
前例がないかもしれないし、あるかもしれない。
でも……ただの永住許可証ではダメなのだ。

「お待たせいたしました、ファリーダ様はすでに【剣闘王】の称号をお持ちです。
証人という意味では、これ以上のものはないでしょう。
そして、その先を欲するならこの場所に習って、との事です」


「あぁ、それはとてもわかりやすいですね。
わかりました、有難うなのです」



【剣闘王】の資格をもう一度。
そういう事らしい。
それなら話は早くて。

「ボクは、あなたをこの場所に縛りたいわけではないのです」



ただ……。

「その羽根を休めることが出来る場所が増えればいい。
ボクにそれが出来るのならば……何を迷う事がありますか」



武器を持つ。
戦うのは得意ではないけれど、欲しいなら示せ。
そういう事であれば。
示して見せよう、ボクの想いを。



どこかに届いた【許可証】
匿名のプレゼント。
添えられている手紙。

あなたは誰からだとわかるかもしれない。
お手紙を書くのは初めてではないから。
それでも、きっと。

「気が付いていないフリをしてくれるですかね」