RECORD

Eno.249 情報屋の記録

珍事件④

おちゃらけは突然消え去って、少しだけ低めの声でそう告げる。
実はもう、こいつの正体は知ってる。
探してる間に調べたから。オレ、こー見えて仕事できる子なんだわ♪

富裕層の住まう地域からやってきた、どこぞの金持ちの七光。
だから金なら腐る程あるのは事実だろうな…

「注目集めてぇんならよそ行ってやんな。ここじゃ死ぬぞ?」
『う、うるさいっ!』
「焦っちゃってまぁカワイイことで」
『可愛い?ふざけんな!』
「ふざけてんのはてめぇだろーが。痛い目見る前にさっさとパパんところでも帰んな」
『やだ!帰らないっ!!』
「どーせ家出かなんかだろ?さっさと帰ったほーが身の為だっての。ほら、もう金欲しさにお前の事捕まえようって奴がいっぱいだぜ?」
『は?ひっ……!!』

さっきまで仲間だとでも思ってた連中は目の色変えて、襲う瞬間は今か今かとタイミングを測り。
ボディーガードを受け付けた奴も掌を返しそうな雰囲気…

「言ったろ?ここはスラムって呼ばれるような場所だけど、もっと腐ってもっと深ぇ場所。
お前みてぇなあったかいトコでぬくぬく育った奴の、遊び場じゃねぇんだよ」

ニセモンの耳元で、珍しくドスの効いた低い声を出して。
わざと不安を煽るように、まだ自分より若いであろう金持ちのボンボンに言って聞かせる。