RECORD

Eno.237 キャス・パリューグの記録

【振ってきた紙切れ】

 
宿の自室にて、彼女は一枚の紙きれとにらめっこしていた。
それは、アリーナ内をふらついていた時に拾ったもの。


「幸運の女神の導きか、はたまた悪魔からの紹介状か……なんて。
 どっちにしろ、面白そうな話が文字通り舞い込んできたってワケだ」


「誰かの落とし物だったら悪いけど、どうせ持ち主なんて分からないもんね」


口では悪いと言いつつ、それほど悪気なく懐に収める。
例え、いたとしても探してやる義理はない。


「オフシーズンで暇してたところだし、
 ここなら異世界旅行も簡単だし、丁度良かったかも」


よいしょっと勢いよく立ち上がると、軽く体を伸ばす。

「せっかく今は手持ちもあるんだ。新しい服で行こうかな?
 あー、普通に買いに行くのなんて久しぶりだなぁ」


そのまま楽し気に独り言を言いながら、街へと繰り出していった。



※彼女はしばらくここを留守にします。