RECORD

Eno.366 シトラス・オーランティフォリアの記録

ある日の酒場での誤訳発覚


「故郷のおとぎ話では2000年以上も生きた人も居たと聞きましたが、それが事実にしてもそこまで健康に生きられたとはとても思えません。
見える場所に、見えない場所に、必ず多くの場所を"壊して"いたことでしょうね……。」


「そもそもそういう方は出自からして特殊な方に限られるんですよね。
一般的な仕事に従事するのではなく、その生涯を"象徴"として生きることそのものに捧げた人だけが到達し得る領域。」


「あ、あれ?1000年以上となれば確かに伝説の域ですが故郷の世界では王族とされる人の話の中には300歳以上という方の話もちらほら……
おやぁ?もしかして私達、種族違う……???」


「ヒト……あれ?人間の話ですよね……?
ご飯食べたり、睡眠したり、仕事したり光合成したりする………
もしかして前提からして違う可能性とかってありますです??」


「えっ?あれですよね。
人間の皆さん早ければ3年、遅くても10余年くらいで成木します……よね……?


「えっ。だって皆さんそのくらいになったら当たり前に花を咲かせて実を着けたり………もしかしてしない、ですか?」


「な………

な………………!

なんか皆さん樹齢の話してる時変だなとは思ってましたが……!!!
どうりで!!!!!」


「そっか……キトルシアでヒトにあたる種族がヒトであるせいで翻訳された時にヒトもヒトも同じく"ヒト"と訳されてしまうのですね……!盲点でした……!
そっかぁ、一般的なヒトは成木ではなく成"人"……。」


「ホモ・サピエンス…二名法……それは、私の認識だと個人名にあたるもの、ですね……。
なるほど。種族の種族が同一なので種名とは別に識別名が与えられているんですね……。」


「じゃあ私今まで名乗ろうとした時種族名を言っていたようなものなんですね。
うーん……でも認識としてそれで不足は無いのだからそれは良いのかぁ……。
自分の種族だけは『人間』だとややこしいから新しく何か考えなきゃな……。『樹人間』とか……?」