RECORD
Eno.48 Siana Lanusの記録
◇07
自己対話は難航している。

ナズに送る手紙──というより交換日記──で、少しずつフラウィウスに来る前の事に触れてはいるのだが、
勇者たちのことを思うとそれだけで、ひどく胸が苦しくなる。
あの勇者の顔と、聖騎士の顔が、瞳の裏にこびりついて離れない。
そしてあのレイピアの切っ先が沈み込んだ事と、一瞬先の痛みが。

多分、トラウマのフラッシュバックというものなのだろう。
思い出そうとするとすぐこれだ。思い出すこと自体がしんどくなってくる。
フラッシュバックするような記憶を、無理に思い返す必要はないのかもしれないが、
何が、何が怖くて、何を恐れて、 何が、刻まれているのか、
分からなければ、無意味に怖いものが増えていく。それは、避けたくて。
出来る限り、出来る限り触れようとして、明滅する。
それが勇者たちのことと、
その後の境会で拾われた後のことと。
優しく、あなたを護るから、と言う女と男の声が、
しばらく耳に張り付いて取れなくなって、吐き気がする。
自己対話は難航している。
海を見て、落ち着かなくては。
「………ッ、」
ナズに送る手紙──というより交換日記──で、少しずつフラウィウスに来る前の事に触れてはいるのだが、
勇者たちのことを思うとそれだけで、ひどく胸が苦しくなる。
あの勇者の顔と、聖騎士の顔が、瞳の裏にこびりついて離れない。
そしてあのレイピアの切っ先が沈み込んだ事と、一瞬先の痛みが。
「う ぅ゛ぇ、 っ かは、」
多分、トラウマのフラッシュバックというものなのだろう。
思い出そうとするとすぐこれだ。思い出すこと自体がしんどくなってくる。
フラッシュバックするような記憶を、無理に思い返す必要はないのかもしれないが、
何が、何が怖くて、何を恐れて、 何が、刻まれているのか、
分からなければ、無意味に怖いものが増えていく。それは、避けたくて。
出来る限り、出来る限り触れようとして、明滅する。
それが勇者たちのことと、
その後の境会で拾われた後のことと。
優しく、あなたを護るから、と言う女と男の声が、
しばらく耳に張り付いて取れなくなって、吐き気がする。
自己対話は難航している。
海を見て、落ち着かなくては。