RECORD

Eno.3 『夜凪の鴉』の記録

鴉は鴉と名乗ることをやめる

――あれから、暫くして。

ファリスに、簡潔な手紙を送り付けた。

内容は、
『拝啓、炯眼の荒鷲のファリス様へ
 ――アリーナ、観客席にて。待っている。』

なんて、簡潔な文と、日時しか書かれていない手紙を。

君の事だから、どうせ馬鹿正直に疑いもせずに。
果たし状として受け取り、来てくれるだろうと思ってたけれど。

「……ふふ、楽しかったな、君と戦うのは」




そう、掃除が始まる観客席にて。
ぼそりと呟いて。
正体を明かした僕は、今や不安も無くなり。


そして、別の場所では。
シャルティオ、シャルと久しぶりに話をして。

お互いの名を言い合い。
友達になって、そのお近づきに戦って。

結果は必殺が返されて、ボロ負けだったけれど。

「また、会えるのを楽しみにしてるよ、シャル」




どちらの対戦も、楽しかったから。

どちらもまた、対面することを、楽しみにしようかな。